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「踊り場姫コンチェルト」
岬鷺宮著
メディアワークス文庫
2016年発行

忘れ物をした梶浦康規は夜高校の校舎に取りに行きます。
そこで踊り場で美しく踊る女性に出会うのでした。
踊り場姫と噂される彼女、藤野楡はひとつ先輩で、
吹奏学部で作曲と指揮を担当している女性。
天才的な作曲をする彼女ですが、指揮者としては自分の感覚で
めちゃくちゃな振りをするものですから、
コンクール優勝を目指す部は困っていたのでした。
吹奏学部員になった康規は楡の指揮をまともにする教育係を命じられてしまいます。
そっけない態度の楡でしたが、康規もまた趣味で作曲をすることを知り、
徐々に距離は縮まっていきます。
しかし彼女の演奏者を省みない指揮には理由があり、
頑なな態度は改善されないままコンクールはせまってきて…
どうする康規くん、どうなるコンクール。

てなお話。

作者自身が吹奏学部に入っていたとのことで、そのあたりの描写にはなかなか
リアリティがあるようです。
まあ、楽譜も読めないわたしには判断つかないですが(笑

ラノベとしては地味だけど、爽やかな青春物語。
くるくる踊る踊り場姫の視覚的描写が効いてます。

読後感のよい小説でした。

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「僕は彼女(ヒロイン)を攻略できない。 間違いだらけの主人公ライフ」
三門鉄狼著
MF文庫J
2016年発行

主人公鶴見アユムは高校三年生。
ある時「宣告」を聞きます。
「あなたはハーレムエロゲの主人公となりました」

彼の世界は30年ほど前から「役振り」という現象が発生しています。
そしてそれに対応さた謎現象「世界干渉」もまた。
この世界の人間はある日突然何かの役振りを与えられるのです。
不良の役とか正義の味方の役とか。
アユムはハーレムエロゲの主人公なので、ウハウハのようですが…。

一方、クラス委員長の完璧少女白藤都は同じ時期に
ハーレムラノベのヒロインを宣告されます。
エロゲとラノベ…ちょっと違うのですが、彼女の主人公に宣告されたのがアユム。
なぜかちょっとバグってるような状況のなか、ふたりはデートをし、
お互いに主人公とヒロインとして条件をクリアしようとするのですが、
なぜかお兄ちゃん好き好きなアユムの妹が神様になってしまい、
さらにエロゲヒロインにもなってしまい…。

というわけでしっちゃかめっちゃかなラブコメです。
主人公たちがデートすると、世界干渉のせいで現れる化物やゾンビたち。

アユムと都は様々な邪魔のなかを恋人同士になれるのか。
さらに条件をクリアできなかった場合の恐ろしいペナルティがあって…。

まあラノベらしい主人公モテモテなお話です。
現実ではありえない設定ですが、楽しいから無問題。

07/09|Book(青春・恋愛・ラブコメ)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑

「四十面相クリークの事件簿」
トマス・W・ハンシュー著
鬼頭玲子訳
論創社
2011年発行

1913年という、かなり古い時代に書かれた作品で、どうせ古めかしい、
今読んでも面白くない小説だろうとタカをくくって興味を持たなかったわけですが、
読む気になったのは、江戸川乱歩の創造した怪人二十面相、
あるいは以後一時的にグレードアップして四十面相と名乗っていた人物の
元ネタらしいと知ったからにほかなりません。

しかし読んでびっくり、すごく面白い作品でした。
ハミルトン・クリークと呼ばれる稀代の怪盗は本書の最初の方で
ある屋敷に忍び込んだところ、屋敷の主の姪であるすごい魅力的な美女と出っくわし、
恋をしてしまいます。
自分の今までの生き方に嫌悪を覚え、それ以降怪盗を廃業し、
スコットランドヤードの依頼で活躍する探偵になるのでした。
面白くないのが、怪盗時代の仲間たち。
以後何度か両者の間に戦いの火花が散ります。

したがって本書のほとんどは探偵としてのクリークを描いております。
もともと短編集だったものを連作長編の形に構成しなおしたものなので、
プロローグとエピローグ以外は第○章となっております。

浮浪者の若者を改心させ助手として使い、
今や人のために生きる第二の人生を歩むクリークですが、
彼の恋する女性の気持ちがわかりません。
なにせ彼女は彼の以前の怪盗としての姿を知っているのです。
長い間連絡がとれないと心に悪魔が忍び寄り、悪の道にもどってしまおうか悩む
人間的な主人公です。

四十面相ということでいくつもの顔を持っている男ですが、
変装するわけではなく顔が変形する特異体質です。
またエピローグでは彼の意外な正体が明かされます。

さて、この作品、トリックは大したものではありません。
いずれもどこかで見たことあるようなトリックばかりなのですが、
考えてみれば本書はかなり古典なので、どっちが古いかはわからないわけですね。

クリークの探偵方法は、おおむね事件の概要を聞いただけで、
かなり推理の筋道がたってしまうのですが、
彼の裏の世界を生きていたときに得た情報が生かされています。
知っていたからこその、快刀乱麻を断つ活躍ぶりといえましょう。

したがってミステリの出来としては何ともいえませんが、事件に恋に大活躍の、
いささか大時代の、でもだからこその楽しい小説でした。

ただ、エピローグ手前の気の利いたロマンス的描写は、
エピローグの最後にもってきてほしかったと思います。

ところでわたしは乱歩の「怪奇四十面相」を読んだ小学生以来、
この作品でも四十面相を「よんじゅうめんそう」と読んでいたのですが、
どうも「しじゅうめんそう」と読むようですね(笑

07/06|Book(ミステリ)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑

「子守り男子の日向くんは帰宅が早い。2」
双葉三葉著
角川スニーカー文庫
2019年発行

学校での勉強以外のほとんどの時間を5歳の妹、
蕾の面倒を見るために費やしている、高校生新垣日向。
それでも夏休みに、親友の成瀬や蕾の可愛さにベタぼれの悠里、
それに唯、幼馴染の日和と一緒に蕾を連れてキャンプに行ったり、
花火大会に行ったりして、普通の高校生らしい生活を楽しいと感じるのでした。
そんななか、ふと出会った年上の女性、初島霧子は自分の姉がやはり自分を犠牲にして
彼女を育ててくれた境遇から、日向ら兄妹にシンパシイを感じます。
イギリスに留学する霧子は日向に対し、妹のために自由に生きろと言い、
そして日向は―。

ラノベ的な激しいイチャラブはないし、どちらかというと叙情的な作品ですが、
主人公の青春への憧れと変わりゆく心情、成長、それに、
なんといっても妹ラブが描かれ、引き込まれます。

今回はメインヒロインと思われる悠里の描かれ方が控えめ、
それより日向の後輩でかつて一緒にテニスをしていた日和の思いが胸を打ちます。

ふたたびラケットを握ることになった日向。
それを迎える日和。
素晴らしいラストシーンですが、これはまだ続けてくれるのかな。
日向くんの物語としてはかなりまとまっているけど、恐らく日向のことが好きな悠里、
そして日和との関係が中途半端なので、まだまだ続きが読みたいのだけど。

07/02|Book(青春・恋愛・ラブコメ)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑

「俺が好きなのは妹だけど妹じゃない8.5」
恵比須清司著
富士見ファンタジア文庫
2019年発行

永遠野誓のペンネームで大人気ラノベ作家として活躍している永見涼花。
しかし事情により、兄の祐が永遠野誓の振りをしています。
この関係は兄妹だけの秘密。
涼花は祐のことが結婚したいほど大好き。
祐は妹を妹としては好きだけど、彼女の想いには気づかない鈍感男。
そんなふたりの兄妹イチャラブコメディ第8.5弾です。
8.5?
そう、二度目の短編集になっています。
ドラゴンマガジンに連載していたものいくつかに書き下ろしが一編。

短編集なので、どうしても本筋と比べると弱いのですが、
それでもなかなか楽しめる作品群です。

基本的に涼花の取材(と称したお兄ちゃんとのイチャイチャ)に祐が付き合うという
ストーリー展開。

一緒にギャルゲしたりネトゲしたりエクササイズしたり
(当然のように舞やアヘ顔Wピース先生、桜が絡んできて、
なかなか思ったようにイチャイチャできないのですが)、
編集部のインタビュー受けたり、ホワイトデーの取材したり。

最後の書き下ろしは、涼花さんがラノベを書くことになったきっかけを回想した
エピソード。

エクササイズの話はエロかったし、インタビューの話は爆笑ものだったし、
最後の回想は涼花さんの妄想が微笑ましかったです。

さあ、次の9巻が楽しみです。

06/22|Book(青春・恋愛・ラブコメ)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑

「それでもデミアンは一人なのか?」
森博嗣著
講談社タイガ
2019年発行

WWシリーズ始動。

表向きは楽器職人のグアトはロジという女性と一緒にドイツに住んでいます。
そこにある日デミアンと名乗るカタナを背負ったウォーカロンが訪れてきます。
彼はロイディを探しているらしい。
政府のロボットとウォーカロンが彼を追ってきて戦闘になり、
軽く相手を殲滅したデミアンは姿を消します。
彼は戦闘型のウォーカロンでスパイ活動用に作られたらしいのですが、
その後チベットに、そして日本に現れ、グアトたちは彼を追うことになります。
今は穏やかな時間を生きているグアトとロジは、
数年ぶりにデンジャラスでエキサイティングな世界に戻っていくのでした―。

本文に主人公たちの本当の名前が明記されていませんが誰なのかバレバレですね。
Wシリーズの少し後を描いた続編です。
お馴染みの人々が登場してきます。
ラストにとんでもない事件が起こりますが、
グアトが推測したその真相には驚嘆しました。

前シリーズ最終巻のラブラブを経て、今回主人公たちが同棲?して、
仲良くやっているのが微笑ましいです。
最後の方のロジとセリンのグアトを挟んだ女同士の乾いた戦いなんか、
ひえーとなりましたが。
メインのストーリーも森作品らしい面白さ。
トランスファが登場しなかったのは淋しいけど。

Wシリーズのファンにはたまらない新シリーズです。
今後の展開が楽しみ。

WWは何の意味なんだろうな。
ひとつのWはウォーカロンだろうけど。

06/21|Book(SF・ファンタジー)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑

彩木香里/speak low
ティートックレコーズ XQDN-1005
2007年発売

ピアノ:今田勝
ベース:稲垣護
ドラムス:守新治
サックス:堤智恵子(8曲目のみ)

ジャズヴォーカリストの彩木香里(さいきかおり)さんのデビューアルバムです。

ちなみに同じ名前の声優さんもいらっしゃるようです。

空間に溶け込むような自然でくせのないまろやかな歌唱が魅力。
声がまっすぐ綺麗に伸びていくところは素敵です。



8曲目のクレイジー・フォー・ユーはマドンナのヒット曲とのこと。

もうひとつ特筆すべきことは録音の良さでしょう。
ティートックレコーズといえば、前に書いたコレもそうでした。
さすが音質にこだわっているレコード会社のお仕事、
目を閉じて聴くと音場感の広がりが素晴らしいです。

06/17|CD(女声ヴォーカル)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑

「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」
二丸修一著
電撃文庫
2019年発行

これは最近読んだラノベでは一番の傑作。
ただし、よくあることですが、タイトルは間違いではないのだけど、
ミスリーディングする可能性が大きいような気がします。

丸末晴は高校二年生。
一年生のとき、クールな美少女で小説家デビューした可知白草に恋をしました。
ところが、なんとイケメンで俳優をしている三年生と付き合っていると知り、
びっくり。
絶望に打ちひしがれている彼に、彼のことが好きな幼なじみ、
だけど彼に振られちゃった志田黒羽が復讐計画を持ちかけてきます。
最終的に考えついたのが、文化祭の最後に開催される告白祭で
末晴の過去に封印した特技を駆使し、白草に告白、彼女をその気にさせておいて、
その後振るという計画。
さあ、うまく行くのでしょうか―。

主人公の過去がユニークです。
天才○○だったなんて、ラノベで見たことない気がする。
土下座まで平気でする情けない主人公が、過去の呪縛を断ち切り
勝利を手にしようと頑張るお話のようで、
本質は大どんでん返しがびっくりな三角関係ラブコメです。

入り組んだ設定が絡み合い、見事なテンポ感で大団円まで読ませます。
登場人物のキャラがみな輝いているのもポイント高し。
他に見ない展開と、全体のまとまり具合が上手い構成力の妙には舌を巻きました。

06/11|Book(青春・恋愛・ラブコメ)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑

Linda Eder/Broadway My Way
Atlantic 83580-2
2003年発売

1. I Am What I Am (from La Cage Aux Folles)
2. Anthem (from Chess)
3. On The Street Where You Live (from My Fair Lady)
4. What Kind Of Fool Am I? (from Stop The World, I Want To Get Off)
5. Some People (from Gypsy)
6. I'll Be Seeing You (from Right This Way)
7. Gold (from Camille Claudel)
8. Don't Rain On My Parade (from Funny Girl)
9. The Impossible Dream (from Man Of La Mancha)
10.A New Life (from Jekyll & Hyde)
11.Edelweiss (from The Sound Of Music)
12.Unusual Way (from Nine)
13.Man Of La Mancha (I, Don Quixote) (from Man Of La Mancha)

1961年生まれのブロードウェイ女優・歌手のリンダ・エダー(Linda Eder)は
現在までに何枚もアルバムを出してますが、これは2003年に発表された
ミュージカルのヒットナンバーを歌ったアルバム。

圧倒される歌唱力で、一曲一曲が元々の舞台を凝縮してしまっているかのような
充実感があります。

知ってる曲も知らない曲も素晴らしいパフォーマンスで楽しませてくれます。

あえて一曲だけと云われれば最後の「ラ・マンチャの男」でしょうか。
とくに優れたパフォーマンスだからという理由ではなく、たんに好きだからです。
トム・ジョーンズがヒットさせたこともあり、おそらく、より有名であろう
9曲目の「見果てぬ夢」よりもこちらの曲の方が好き。

06/07|CD(ミュージカル)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑


季刊ステレオサウンド誌の211号が発売されました。

今回の特集は「深化するSACDプレーヤーを聴く」
いつかはSACDプレーヤーを手に入れたい私には気になる特集であります。
とはいえ、ハイエンドのラインナップ見ると、
アキュフェーズ、プレイバック・デザインズ、エソテリック、CHプレシジョン、
dCSと、以前の同様な特集と比べて変わらない顔ぶれ。
もちろん、最新式の製品には入れ替わってますが。
ディスクプレーヤーで音楽を聴かない向きも増えてるでしょうから、
新しいハイエンドメーカーが入ってこないのも仕方ないところか。
しかし、ますます高くなったなあ。
いつかは、いつかはと思ってもう十年以上が経ちますが、
こら一生無理かもしんね。
もちろん比較的リーズナブルなプレーヤーも特集されております。
そういうのを狙うか、あるいは中古か。
うーん、どうしたものか。

他には菅野沖彦氏の追悼企画の後編がかなりのボリュームで読み応えあり。
菅野さんの残されたものすごいシステムは今後どうなるのだろうと、
思っていたものですが、お嬢様のご主人が受け継ぐとのこと。
よかった。

柳沢功力氏の連載回想録やオーディオファイル訪問記、その他の連載も快調。

今号は個人的には読後満腹感のある、うれしい号でした。

06/03|Book(オーディオ)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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Author:暗ヲ
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