「帰還した勇者の後日譚①」
月夜乃古狸著
モンスター文庫
2018年発行

異世界に召喚され、勇者として戦いぬいた主人公が、
現代日本に帰還してからのお話を描いた物語。
「小説家になろう」発です。

柏木裕哉は異世界に召喚され勇者として大活躍。
仲間たちとともに魔王や邪神を倒し平和が訪れたとき、
当初の約束どおり召喚された時間と場所に返されます。
さあ普通の大学生に戻って万々歳…ではなく、
なんと彼は異世界でと同じように魔法が使えてしまいます。
しかも今までの戦いの経験と鍛錬で雰囲気がかわったことに、
妹の亜由美と裕哉の友人で彼のことが好きな工藤茜は不審がります。
そんななか、テロリスト集団が美術館を襲い、亜由美と茜が人質になったため、
ヒーローのコスチュームをつけて魔法で撃退するのでした。
謎のヒーローの存在が日本中に話題をふりまくなか、
召喚した黒龍のレイリアと猫獣人のティアにより、
王国が帝国に攻められて危機的な状況にあることを知り、
転移しふたたび王国へ向かいます。

戦い終わった勇者が日本に戻ってくる設定は最近よくみます。
ラノベ作家になって勇者だったときの戦いの記録を本にしたり、
戻ってきたらひきこもりになっちゃって学級委員長になった魔王が迎えにきたり。
本作は戻ってきてイチャラブする余裕もなく、
さまざまな争いに巻き込まれるところが新鮮。
異世界と日本舞台を変えて、戦いまくるのです。

なんといっても主人公がひたすらかっこいい。
主人公の友人の斎藤くんは彼がテロリスト集団を壊滅させたヒーローだと気づきますが、
こっそり協力をしようと心に誓います。
彼めちゃくちゃおかしすぎ。

合間にサイドストーリーが挟まれ、
主人公以外の視点からのお話が組み込まれているため、
多角的で状況がわかりやすいです。
一人称による記述方式の弱点を補っているといえましょう。
まてよ、今気づいたけど、ウィルキー・コリンズの「月長石」や「白衣の女」の
手法に近いかもしれん。

とにかく爽快で面白い作品です。
ナンバリングが打たれてるのはレーベルの自信のあらわれでしょう。
さあ、異世界にふたたび訪れた主人公は勇者パーティーの仲間とともに、
どう王国の危機を救うのか。
今から続きが楽しみです。

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「パラミリタリ・カンパニー 萌える侵略者3」
榊一郎著
講談社ラノベ文庫
2017年発行

主人公・阿倍野晴克16歳。
普通じゃない生活をしてきたために「普通」を渇望していた彼は、
ある日なんと侵略者たちから地球を守る地球防衛組織サキモリの司令官に
なってしまいます。
なんとか高校生活では「普通」ができると思っていたのですが、
どうやら無理みたい?
学校に天王寺美緒の両親が現れます。
もとサキモリの巫女である母親ともと侵略異星人である父親は
美緒をサキモリから連れ戻そうとしますが、娘とのバトルになり、
晴克やルシア、シンディアたちも巻き込まれ―。
さらに司令官のDNAを持っている晴克は早々に子孫を作ることを組織から要望されており、
その相手の第一候補が天王寺美緒なのですが、
侵略者との戦いのたびにふたりして理由をつけて授業を抜け出すのを疑われ、
美緒は晴克と結婚を前提につきあっていると言ってしまいます。
教室は騒然。
まあ、そんななか、新たな敵が地球を襲います。
今度の敵は情報生命体。
サキモリを制圧した相手に晴克は最大のピンチを迎えます―。

本シリーズはウルトラセブンとエヴァンゲリオンを合わせたような設定ではありますが、
異星人がどこかユーモラスな設定を持っているため、
楽しいハラハラドキドキを味わえます。

今回、のっけから、平安時代の安倍晴明が登場、
宇宙からの侵略がその当時からあったこと、
晴明がサキモリの母体を作ったことが明かされます。
なんと壮大なお話。

さらに今回は、モブキャラだとばかり思っていた千里丹生太や内代乃之江が大活躍。
前回の侵略者宇宙植物も晴克たちに協力、
今までにないデラックスな展開です。

ただ、残念なことに、この3巻をもって本作品は大団円を迎えます。
もうちょっと読みたかったなあ。

12/09|Book(SF・ファンタジー)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑

「ペガサスの解は虚栄か?」
森博嗣著
講談社タイガ
2017年発行

Wシリーズ第7弾です。

ハギリ博士はコーキョの地下で少年の姿をした(もちろん端末なわけですが)
ペガサスと呼ばれるスーパ・コンピュータと会見します。
そこでもたらされた驚くべき推測。
彼からの情報により、インドに飛ぶハギリ博士と新しい護衛係のキガタ、
そしておなじみのアネバネ。
そこに住む資産家の邸宅にフランスから逃亡したウォーカロンがいるというのです。
その資産家ケルネィの実は妻であったツェリン博士と再会するも、
トラブルが起こります。
ウォーカロンが暴走し、さらに…。
屋敷に隠された秘密から、ハギリ博士はトランスファのデボラと
推測を重ねるのですが、やがて更なる大事件が…。

今回もエキサイティングです。
森さんの小説は思索的な部分が楽しいのですが、
それとアクション的な展開の絡み合わせがうまくできてます。
「人間とはなにか」の科学的大命題のなかで、
いかにも人間的な感情が描かれているのが興味深いところです。
後半に、すでに懐かしく感じるウグイが登場しますが、
彼女の今回の行動がびっくり。
ますます先が楽しみになってきました。

次巻は来年2月発行予定「血か、死か、無か?」。
さらに「天空の矢はどこへ?」と続くようです。
WシリーズのWはウォーカロンのことですが、わたしにとってはワクワクのWです(笑

10/28|Book(SF・ファンタジー)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑

「エルフ嫁と始める異世界領主生活5―
おきのどくですが りりがるどは きえてしまいました―」
鷲宮だいじん著
電撃文庫
2017年発行

小笠原諸島の端っこにある小さな島、青根島村。
そこに異世界から突如現れたユングリング。
ユングリングのリリガルド領主の娘アクセリアを嫁にしちゃった由太は、
そこの領主となり今日もいろいろ頑張っているのでしたあ。

さて、第5弾です。
な、なーんと最終巻です。
由太の前に人生最大の事態が起こります。
なんとリリガルドが近いうちに水没してしまうということが判明します。
由太たちはなんとか日本の他の場所にリリガルドの人々を移住させようと
働きまくるのですが。
突如あらわれた怪しい謎の勇者ロロの思惑はなにか。
やがて東京に向かった由太たち一行を襲った大事件。
アクセリアはダークエルフ化し始めちゃうし、
由太は、アクセリアは、この最大の危機に生き延びることができるのか。

「日本沈没」を思い起こす設定にファンタジー要素がふんだんに詰められ、
今までよりも頁増しな本書を面白く読ませます。
しかも今までにない感動作で、クライマックスのくだりは
涙なくしては読みすすめられません。

見事なエンディングでありました。


09/17|Book(SF・ファンタジー)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑

「パラミリタリ・カンパニー 萌える侵略者2」
榊一郎著
講談社ラノベ文庫
2017年発行

主人公・阿倍野晴克16歳。
父親の借金のせいで追われたり拉致られたり、
普通じゃない生活をしてきたので、地球防衛組織サキモリの一員…
というか司令官になってからは普通の高校生活が送れる…
と幸せに浸っている暇もなく、敵出現出動要請の連絡がしばしば来ちゃって
慌ただしい日々。
宇宙人の秘密組織オルガネラの女幹部本町シンディアが
普段は学校の生徒会長であることを知って捕獲しようとしますが、
彼女の秘密を知った晴克はある決断を下します。
また宇宙からきた植物により、狭奇杜市民が次々と頭に花を咲かせられる事態となり、
対策に苦慮します。
狭奇杜市壊滅の絶対絶命の危機に、晴克、
や地球人と宇宙人のハーフ美緒、アンドロイドの「お姉ちゃん」ルシアらは
敢然と立ち向かうのですが…。

シンディアの正体と事情が詳しく描かれ、
主人公を取り巻くハーレム候補がまたひとり増えたかなと、
ますます楽しくなってきました。
地球が萌える星だからという理由で侵略者が絶えない世界は
「ウルトラセブン」的設定ですが、本筋は「エヴァンゲリオン」を
思いっきり軟化したようなお話です。
サスペンスフルだけど気楽でラノベらしいシリーズです。

今回は「トリフィドの日」か「マンモスフラワー」かって宇宙植物がでてきますが、
この著者、なかなか目の付け所が面白いです。

次巻も楽しみ。

09/16|Book(SF・ファンタジー)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑

「戦うパン屋と機械じかけの看板娘(オートマタンウェイトレス)7」
SOW著
HJ文庫
2017年発行

怒涛の展開でそれまでの戦いの物語に一区切りの5巻、
その後の新たな戦いの物語に対する緩衝帯のように設けられた短編集の6巻、
それを受ける7巻は新たな物語の幕開けといった立ち位置でしょうか。

元軍人、ルートのパン屋さんに立てこもったテロリストの仲間のひとり。
ジェコブとミリィを人質にとられますが、
それでもルートは拳銃を持った男を説得しようとします。
ルートは負傷するものの、無事立てこもり事件は解決。
しかし今回の物語はここから始まります。
犯人に対する裁判に呼び出されたルート。
しかしそれには裏があったのです。
法廷弁護士はルートを祖父の、故郷の仇と狙う女性。
彼女の狙いはルートであり、故郷殲滅の事実を公にすることでした。
罠に嵌まったルートに、アンドロイドであり彼を愛するスヴェンは
何とか窮地を乗り切ろうと奮闘努力するのでしたが…。

メインが法廷シーンであり、
このシリーズの魅力的なレギュラー脇役たちはほんの顔見せ程度です。
しかし裁判のやりとりが手に汗握る展開で不満は感じさせません。
ルートを、そして彼を憎むマリーの運命を大きく呑み込む力の存在を予想させ
物語は終わります。
次巻が待ち遠しいです。

なお、54頁イラストが圧倒的で魂持っていかれます(笑

09/09|Book(SF・ファンタジー)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑

「桜色のレプリカ2」
翅田大介著
HJ文庫
2017年発行

後編、完結編です。

1巻ラストで明かされた衝撃な事実により、主人公は悩みヒロインはせせら笑う―。
エプリオンの伝染体による攻撃は激しさと頻度を増していきます。
レプリノイドによる防衛も劣勢になっていき、人類は滅亡するのだろうか―。
ハルカを助けるため、ドームの外に飛び出すカザネ。
倒しても倒しても減らないエプリオン伝染体と戦いながら、
カザネとハルカはすべての秘密をにぎる学校理事長のもとに向かいます。
そして明かされる真実。
「学校」は何のためにあったのか。
人類はどうなるのか。

森博嗣氏のWシリーズを思い起こす、「人間とは何か」テーマを
ギリギリラノベの枠内に押し込めた意欲作ですが、
大団円では1巻前半のイチャラブ仕様がまた戻ってきます。
お話が壮大すぎて、感動という言葉では感想を表現したくないほどです。
「ヒロイン捜索型学園ラブコメ」という本書の本当の内容を隠しているようで、
実は真実をついたウリがイキです。

いやあめちゃくちゃ面白かった。
二作で完結ですが、この作者さんとはまた別の作品で出会いたいです。
08/12|Book(SF・ファンタジー)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑

「桜色のレプリカ1」
翅田大介著
HJ文庫
2017年発行

この作品、びっくりすることに1、2巻が同時発売されました。
前代未聞…かどうか知りませんが、
とりあえずわたしはラノベでは見たことがありません。
あとがきを読むと作者の要望だったとのこと。
このあとがきの内容がまた素晴らしいのですが、
それと同時に作者の自信も垣間見れます。
なんと巻末には設定資料つきです。

まず1巻を読んだわけですが。
いつものように予備情報を得ないで読んだので、
途中まで世界観がわからずとまどいました。

主人公の六方カザネは「学校」の教師。
学校といっても正確には「特別心質保全矯正施設」というらしいです。
教師といっても17歳なんですよ。
さらに登場する小道具が未来的な部分があり違和感あります。
これは現代の話なのだろうか。
物語は教師の主人公と個性的な生徒たちとのイチャラブ風に進みます。
カザネには同僚の教師の恋人もいて、なかなか波乱万丈で楽しそう。
しかし休日も外部に出れないという設定はどういう学校なんだろう。
途中で戦闘シーンが始まり事情がわかります。

エプリオンという宇宙からきたタンパク質に感染した生命体が
驚異的な能力を持って人類を襲うようになり、
そのため人類は地下にシェルターを作り避難しているのです。
エプリオンの伝染体と戦うため、作り出されたのが戦闘用珪素生命体、
レプリノイド。
彼らは人間と見た目は変わらないけど、高い戦闘能力を持った存在です。
主人公の学校の生徒たちこそ、そのレプリノイド。
そして教師たちはレプリノイドに「人間らしさ」の教育をしているのでした。
カザネは理事長に依頼され、レプリノイドに紛れ込んだ人間を探すことになります。

という荒唐無稽なお話。
レプリノイドの生徒はそれぞれキャラづけがなされており、
教師を誘惑するもの、委員長タイプの少女、毎回ぶつかってきてパンツを見せる子、
無愛想で読書が好きな生徒と、人間による設定がなされております。
それによりお約束的イチャラブも起こるのですが、
主人公はレプリノイドに紛れ込んだ人間を探すうち、
人間とレプリノイドがどう違うのか悩むことになります。そして衝撃のラスト―。

ライトなのかハードなのか、どきまぎしているうちに1巻終了。
これは確かに意欲作。
続けて2巻を読みます。
08/06|Book(SF・ファンタジー)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑

「青白く輝く月を見たか?」
森博嗣著
講談社タイガ
2017年発行

Wシリーズ第6弾。
前作あたりから舞台設定が派手になって、ますます面白くなってきました。

北極の海底深くに埋まっている潜水艦。
それをコントロールしているスーパ・コンピュータのオーロラは、
ある時から沈黙してしまい人間でいう引き籠もり生活を送っています。
そんなオーロラを停止してほしいとハギリ博士に依頼してきたのはあのひと。
そう、天才博士がひさびさに姿を現します。
潜水艦には核弾頭ミサイルが搭載されており、
オーロラが暴走した場合人類の危機となるためうかつに手が出せないなか、
ハギリ博士が思いついた窮余の一策とは。

昔ビデオデッキのリモコンが冬になると動作しなくなったことがありましてねえ。
不思議なことにヒーターであっためてやると、直るんですよ。
機械も寒さに弱いんだなあと思いました。
メーカーの修理担当者に話したら、「リモコンはいくらでも買えますから」と
鼻で笑われちゃったけど。

本書読んで、まあそんなことを思い出しましたよ。

今回はものすごくロマンティックで素敵なお話でした。
シリーズ最高作だと思います。

また今回アネバネはお休みですが、護衛のウグイの今までにない必死な姿と、
お茶目な姿がみれてお得感あります。

次作は「ペガサスの解は虚栄か?」そして「血か、死か、無か?」
楽しみです。
06/25|Book(SF・ファンタジー)コメント(2)トラックバック(0)TOP↑

「パラミリタリ・カンパニー 萌える侵略者1」
榊一郎著
講談社ラノベ文庫
2017年発行

主人公・阿倍野晴克16歳。
ある朝目覚めると、お姉さんが朝ごはんを作っています。
しかし彼にはお姉さんはいないのです。
事情のわからないうちに、地球防衛組織〈サキモリ〉の天王寺美緒とお姉さん
―アンドロイドのルシアにより連れ去られそうになる晴克。
そこに現れた悪の宇宙人、〈オルガネラ〉の幹部シンディア。
ふたつの勢力が晴克を取り合います。
その結果、今まで悲惨な貧乏生活を送っていた彼は、
美緒により提示された給料の額に目が眩んで、
サキモリの一員となっちゃいます。
宇宙人や宇宙怪獣と戦い地球を守っているサキモリには現在司令官が不在で、
危機的状況なのです。
なぜかその特性を持っているらしい晴克は、なんだかんだ、
その地位につくことになります。
そして普段は高校生活をおくりながら、宇宙人が襲来たびにサキモリに赴き、
人型の兵器で出撃する美緒たちの指揮を取るのでした。

という、ちょっとエヴァンゲリオンに似てるかな、な設定ですが、
面白いのはハードな内容なのに宇宙人が貧乏くさかったり攻撃がせこいこと。

美緒は実は宇宙人と地球人のハーフ。
周囲から白い目で見られがちで、
それゆえに地球を守ろうとし地球人であることにこだわります。
晴克くんはそれまでひどい生活をおくってきたため、
「普通」ということに執拗に憧れています。
そんなふたりですが、司令官の素質を持っているものは限られるため、
晴克と美緒ははやく子供を作れと組織にせかされるのです。

そんな彼らのちょっと萌えるロマンスと宇宙人が送り込む醜悪な怪獣との戦いが
描かれます。

晴克くんが授業で習うようなことや、
アルバイト先での経験から敵を倒すアイデアを得るのがユニークであり、
生活感あるSFファンタジードラマとなっています。

ヒヤヒヤしていいのかワクワクしていいのかゲラゲラしていいのかわからない作品です。
お姉ちゃんのロケットパンチには大爆笑。

二巻が楽しみです。
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Author:暗ヲ
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