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2015.08.14 (Fri)

「世界大戦争」のサントラ


「世界大戦争」オリジナル・サウンドトラック
音楽:團伊玖磨
東宝ミュージック TSFCD-16-1~2
2013年発売

以前「世界大戦争」(1961年)をDVDで初めて観て、
その内容もさることながら團伊玖磨の作曲した音楽に強く感銘を受け、
CDを手に入れたいと思ったのでした(映画自体に関しては→コチラ)。

ある時ネットを検索しておりましたら、何と2013年にCDが出てるではありませんか。
店舗で見たことないので、基本東宝ミュージックでのネット販売なのでしょう。
さっそく入手しました。

さて、このサントラ、2枚組です。
一枚はステレオ音源、もう一枚はモノラル音源で、
内容はボーナストラックを除けばほぼ同じといって良いでしょう。
この素晴らしいサントラがステレオで残されていたことには驚喜しましたが、
ものごとはうまくいかないもので、ステレオ音源の音質があまり良くないのです。
そこらへんの事情はブックレットに書かれてますが、
実際聴くと曲によってはモノラル音源の方が聴きやすいかもです。
しかし、年代を考えたら仕方ない範囲だし、
なによりこの素晴らしい劇伴の数々が聴けるだけでも感激です。
特にドラマティックかつ悲劇的なテーマ曲は何度聴いてもうるうるきます。

印象的だったのは、ボーナストラックにおいて、劇中印象的に使われる「お正月」の歌。
いくつものヴァージョンで聴けます。
子供たちのコーラスヴァージョンも清らかな子供の歌声が感動的ですが、
保母さんを演じた白川由美の歌声で収録されてるヴァージョンが聴き物。
歌がうまくて素敵です。
白川さんは特に歌手ではないようだけど、これはご本人なのだろうか。
だとしたら、歌のレコードを出しててもよさそうだけど。

ところで外盤では昔のサントラを現代のオーケストラで録音しなおした企画盤が
ときたま目にとまりますが、日本でもぜひ「世界大戦争」みたいな
素晴らしい出来の作品は録音しなおしてもらえないものだろうか。
あと、「日本のいちばん長い日」(岡本喜八監督の方ね)の
佐藤勝の作曲したエンディングのマーチ。
手に入るのはモノラル音源ばかりですよね。
ステレオ音源はないのかな。
あれも録音しなおしてもらえないかなあ。
でも結局薬局売れないだろから無理だろうなあ。シクシク。
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10:35  |  CD(特撮)  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2015.06.06 (Sat)

伊福部昭百年紀Vol.3


伊福部昭百年紀Vol.3
齊藤一郎指揮オーケストラ・トリプティーク
伊福部昭百年紀合唱団
スリーシェルズ 3SCD0021
2015年発売

伊福部昭百年紀シリーズもVol.1(→コチラ)、Vol.2(→コチラ)に続き、
いよいよVol.3が登場。

先日行われた“芥川也寸志生誕90年メモリアルコンサート”(→コチラ)にて
先行販売されていたものですが、素晴らしかった芥川コンサートの余韻が
なかなか覚めやらぬため、数日寝かせてやっと聴いてみました。

2014年11月24日すみだトリフォニーホールにて収録されたライヴ録音です。
今回のコンサートマスターは工藤春彦氏。

―曲目―

1. HBCテレビ 放送開始と終了のテーマ
2. 北海道讃歌

「大怪獣バラン」組曲
第1部 TV版
3. No.2
4. No.3
5. No.2
6. No.14
第2部 映画版
7. No.1 メインタイトル
8. No.2 20世紀の神秘
9. No.5 婆羅陀魏山神
10.No.6 バラン復活
11.No.13 バラン対哨戒艇うらなみ(A)
12.No.12 バラン対迎撃機ネプチューン
13.No.16 特車隊出動
14.No.15 爆雷攻撃開始
15.No.14 バラン対哨戒艇うらなみ(B)
16.No.16 特車隊出動
17.No.18 特殊火薬
18.No.20 エンディング

「ゴジラ」組曲 改訂版
19.M-1.メインタイトル
20.M-6.大戸島の神楽
21.M-9.大戸島のテーマ
22.M-7.嵐の大戸島
23.M-11.フリゲートマーチ
24.M-C.ゴジラ東京湾へ
25.M-A.ゴジラの猛威
26.M-B.決死の放送
27.M-16.ゴジラ迎撃せよ
28.M-19.帝都の惨状
29.平和への祈り
30.M-23.エンディング

「モスラ対ゴジラ」組曲
31.No.1 メインタイトル
32.No.4 巨卵漂着
33.No.5 小美人のテーマ
34.No.6 小美人の回想
35.P.S.No.3 聖なる泉
36.No.25 幼虫モスラ対ゴジラ
37.No.18 モスラの旅立ち
38.No.1,2,7 マハラ・モスラ

「キングコング対ゴジラ」組曲
39.No.1 メインタイトル
40.No.2 世界驚異シリーズ
41.No.6 ファロ島
42.No.14 大ダコ対キングコング
43.No.18 埋没作戦準備
44.No.20 100万v作戦準備
45.No.10 ゴジラの恐怖
46.No.27 キングコング輸送作戦
47.No.19 キングコング対ゴジラ
48.P.S.No.4 ふみ子救出作戦Ⅰ
49.No.15 眠れる魔神(前半)
50.No.26 ふみ子救出作戦Ⅱ
51.No.12 眠れる魔神(後半)
52.No.1 メインタイトル(リフレイン)
53.No.30 エンディング

「海底軍艦」より
54.No.3 メインタイトル
55.No.20 ムウ帝国の祈り

「キングコング対ゴジラ」より(アンコール)


今回合唱団が加わっていることで、今までよりさらにパワーアップした
ゴージャスなアルバムとなっております。
2曲目の「北海道讃歌」を始め、随所で壮大な合唱が聴けます。

「大怪獣バラン」はTV版(海外用)と一般的な映画版の2種類演奏されていますが、
映画版の方ではオーケストラと合唱の重厚さが見事で、
映画を観直したくなりました。

今回もオクタヴィア・レコードの江崎友淑氏が録音に参加されており、
オケと合唱がパースペクティブに再現される、パノラマのような音場は圧巻。
血湧き肉踊る、音楽による絵巻物といった楽しさ。

「ゴジラ」組曲はVol.1でも演奏されていますが、今回は女声合唱による
「平和への祈り」を組み込んだ改訂版。
昔「ゴジラ」のサントラをレコードで聴いたときは
モノラルでも仕方ないと思っていたけど、
こんな音の良いダイナミックなサウンドで聴ける日が来ようとは。
オケのメリハリきいた熱演が目に見えるようで、
素晴らしいとしか云いようがありません。

「モスラ対ゴジラ」はゴジラの登場シーンがやたらカッコよかった映画。
このアルバムでは映画でザ・ピーナッツが歌った「聖なる泉」と
「マハラ・モスラ」が格調高く再現されております。

「キングコング対ゴジラ」組曲では大合唱による祈祷の音楽がパワフルです。
わたしがこの映画観たのはリバイバル上映のときですが、
なぜかこの音楽だけはインパクトが高く、
小学生の頃からずっと記憶の片隅にありました。
合唱団のテンションの高さに、聴いててアドレナリン上がりっぱなしになります。

そして「海底軍艦」。
組曲としてVol.1で演奏されてますが、今回は合唱団が参加しているため、
「メインタイトル」に続いて「ムウ帝国の祈り」が演奏されています。

最後にアンコール。
「キングコング対ゴジラ」の組曲で再三登場した祈祷の曲を
聴衆を含めた大合唱とオケで壮大に演奏し締めくくっています。

いやあ、このシリーズはいつもそうですが、毎回一度聴くとお腹いっぱいになりながら、
続けて何度も聴き返してしまうのでした。
スピーカーの前でブラボー!
09:45  |  CD(特撮)  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2014.12.27 (Sat)

伊福部昭百年紀Vol.2


伊福部昭百年紀Vol.2
齊藤一郎指揮、オーケストラ・トリプティーク
スリーシェルズ 3SCD0018
2015年発売

伊福部昭百年紀コンサートVol.1のライヴCD(→コチラ)を聴いた衝撃は
いまだ自分のなかで興奮さめやらぬ状態を保ってますが、これはその第二弾。

演奏しているオーケストラ・トリプティークのコンサートマスターは、
今回長原幸太氏から宇野功芳氏イチオシのヴァイオリニスト佐藤久成氏にバトンタッチ。

今回の曲目は、

「ジャコ萬と鉄」組曲
1.No.1 2.No.3 3.No.7 4.No.16 5.No.18

「佐久間ダム」組曲
6.Ⅱ-No.1 メインタイトル 7.Ⅱ-No.3 コンクリート打ち込み 8.Ⅲ-No.6
9.Ⅱ-湖底に沈む村 10.Ⅱ-No.9 鉄柱の森 11.Ⅱ-No.15 ジャンボー出動
12.Ⅱ-緑の湧水 13.Ⅲ-No.7 冷凍プラント建設 14.Ⅲ-No.8 バッチャプラント建設
15.Ⅲ-No.37 16.Ⅲ-No.36 発電所完成 17.Ⅲ-No.39 エンディング

「ドゴラ」組曲
18.No.1 人口衛星 19.No.2 メインタイトル 20.No.11 岩石の雨
21.No.14 ドゴラの天敵 22.No.16-A 航空隊攻撃開始 23.No.14 ドゴラの天敵
24.No.16-A 航空隊攻撃開始 25.ドゴラのテーマ 26.No.17 勝利の爆音
27.No.18 エンディング

「ラドン」組曲
28.No.1 メインタイトル 29.No.20 自衛隊阿蘇へ 30.No.10 超音速の追跡
31.No.16 ラドン佐世保に飛来 32.No.18-A ラドン福岡襲撃Ⅰ 33.No.21 大阿蘇の自然
34.No.18-B 衝撃波の猛威 35.No.18-A ラドン福岡襲撃Ⅱ 36.No.15 ラドン追撃せよ
37.No.22 エンディング

「宇宙大戦争」組曲
38.No.1 オープニング 39.No.2 メインタイトル 40.No.3 東海道線の異変
41.No.8 星空 42.No.11 基地の偉容 43.No.12 スピップ号発進
44.No.19 エアークッション 45.No.26 月世界の攻防Ⅰ 46.No.28 スピップ号還る
47.No.2 メインタイトル 48.No.34 宇宙大戦争 49.No.35 エンディング

非特撮映画である「ジャコ萬と鉄」や記録映画「佐久間ダム」の音楽は
今回はじめて耳にしますが、どんな作品でも伊福部節は一聴すればわかる個性を
もっており、また興奮させる土俗的なメロディやリズムも共通しております。
そんな意味で、どれもが面白い、興味深い伊福部メロディ達です。

「ドゴラ」は子供のころテレビでちょっと見たのですが、
つまらなくて途中で見るのやめちゃいました。
最近DVDで改めて見ましたらなかなか面白かったです。
ただクラゲの形をした怪獣がインパクト薄いので、
どちらかというと主人公たちとギャング団との攻防が印象に残りました。
まあ藤山陽子出てますからね、それだけでもみる価値ありです(笑
ミュージカル・ソウの音色がドゴラの不気味さをよくあらわしていると思います。

「空の大怪獣ラドン」はわたしが小さいころ、学校の校庭みたいなとこで
スクリーン張って上映したのをゴザに座ってみた記憶があります。
これも最近DVDで見直しましたら、面白かったです。
空中戦のシーンにつけられた伊福部さんの音楽がスピード感があってとても良いです。

「宇宙大戦争」は東宝の超科学もの特撮映画としては「海底軍艦」や
「妖星ゴラス」ほどではないですが、好きな作品です。
ヒロインの安西郷子が綺麗でした(笑
メインタイトルの畳み掛けるような音楽を聴くだけで興奮してきます。

この伊福部昭百年紀のシリーズは劇伴の中から選りすぐった曲を組曲にまとめ、
ある程度まとまったボリュームで楽しませてくれるので、
映画の情景を思い出しながら聴くのもよし、交響詩のような音楽として楽しむのもよし。

今回のVol.2では録音スタッフとして、オクタヴィア・レコードの江崎友淑氏が
加わっておられます。
そのためか、音質はVol.1に比べ格段に良いと思います。
奥行きを見はるかすことのできる音場、弦の質感が良く、アナログ的な音色。
また演奏も前作よりかなり見事と感じました。
これからも楽しみです。

この素晴らしいレベルの演奏・録音で、特撮映画のサントラを全部再録音してほしいと、
星に願いをかけたい気分です。
09:32  |  CD(特撮)  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

2014.06.12 (Thu)

伊福部昭百年紀Vol.1


伊福部昭百年紀Vol.1
齊藤一郎指揮、オーケストラ・トリプティーク
スリーシェルズ 3SCD0016
2014年発売

<曲目>
「銀嶺の果て」より3つのシーン
1.No.1、2.45→46→47、3.32 No.2 Fine

「国鉄」組曲
4.「国鉄」No.1、5.「つばめを動かす人たち」No.2、6.「国鉄」No.11、
7.「つばめを動かす人たち」No.3、8.「国鉄」No.4、9.「雪にいどむ」No.9-A、
10.「雪にいどむ」No.9-B、11.「国鉄」No.3、12.「雪にいどむ」No.3、
13.「国鉄」No.15、14.「雪にいどむ」No.6、15.「国鉄」No.8

「ゴジラ」組曲
16.M-1メインタイトル、17.M-6大戸島の神楽、18.M-9大戸島のテーマ、
19.M-7嵐の大戸島、20.M-11フリゲートマーチ、21.M-Cゴジラ東京湾へ、
22.M-Aゴジラの猛威、23.M-B決死の放送、24.M-16ゴジラ迎撃せよ、
25.M-19帝都の惨状、26.M-23エンディング

「海底軍艦」組曲
27.M-3メインタイトル、28.M-6ムウの警告、29.M-7国連会議臨時招集、
30.M-15海底軍艦試運転Ⅰ、31.M-16海底軍艦試運転Ⅱ、32.M-14真琴のテーマⅠ、
33.M-30挺身隊出動、34.M-18真琴のテーマⅡ、35.M-23海底軍艦出撃Ⅰ、
36.M-24海底軍艦出撃Ⅱ、37.M-30挺身隊出動、38.M-24海底軍艦出撃Ⅱ、
39.M-31エンディング

「地球防衛軍」組曲
40.M-20-Bミステリアン去る、41.M-10第一次攻防戦、42.M-4モゲラ出現、
43.M-7調査隊富士へ、44.M-12地球防衛会議、45.M-13アルファ号とベータ号、
46.M-14攻撃準備、47.M-19ミステリアンの報復、48.M-17マーカライト・ファープ、
49.M-16避難120km、50.M-20電子砲猛攻撃、51.M-21エンディング

交響ファンタジー「ゴジラVSキングギドラ」より
52.Ⅴ.King Ghidora、53.Ⅵ.Marcia、54.Ⅶ.Godzilla
(2014年2月1日すみだトリフォニーホールにおけるライヴ録音)

日本の大作曲家、伊福部昭先生は数え切れないほどの特撮映画音楽を
作曲したことでも知られておりますが、2006年に惜しくも他界されました。
今年2014年は生誕100年にあたり、生誕日にあたる5月31日には多くのCD、
書籍が発売され、そしてコンサートが催されました。
このアルバムもその日に発売予定でしたが、若干遅れて先日発売されたものです。
私はこのアルバムの詳細を知ると、手に入れて聴くのを心待ちにしておりました。
なぜなら、「海底軍艦」「地球防衛軍」の劇伴曲をそれぞれ10数分にまとめた
組曲ヴァージョンが含まれているからです。
これらはかつてサントラが出ておりますが、おそらくモノラルでしょうから、
ステレオで、しかもライヴによる今回の録音は、よだれが出るほど
待ち望んでいたものだからです。

演奏者に関しては初めて知った指揮者、オーケストラですが、
齊藤一郎氏は京都フィルハーモニー室内合奏団音楽監督。
オーケストラ・トリプティークは日本の作曲家の作品を専門に演奏するために
若手のプロ奏者により結成されたオケらしいです。
コンサートマスターは長原幸太氏で、かつて大阪フィルのコンサートマスターを
務められたヴァイオリニストです。
わたしは彼のパフォーマンスは知りませんが、
コンサートに行ったことのある知り合いによると、
なかなか素晴らしい演奏家のようです。

前置きはこのくらいにして、CDを聴いてみましょう。

まず「銀嶺の果て」の音楽。
谷口千吉監督、黒澤明脚本による1947年の映画で、
伊福部昭の映画音楽デビュー作らしいです。

初めて聴いた曲ですが、のっけから、後の特撮映画に聴かれるような、
見知った…いや聴き知ったメロディと激しいリズム。
と思ったら、メインテーマは後に「ラドン」に使われたらしいですね。
伊福部先生の音楽は何を聴いても特徴的でテンション上がります。

次に「国鉄」組曲。
「つばめを動かすひとたち」(1954年)、「雪に挑む」(1961年)、
「国鉄~21世紀を目指して」(1966年)の3本の鉄道記録映画の音楽をまとめてます。

この作品の存在も音楽も知りませんでしたが、記録映画においても、
やはり特徴ある伊福部節ですが、どこかで聴いた土俗的なメロディが、
近代的な鉄道を描写する音楽に置き換えられても違和感がありません。
「海底軍艦」に似たメロディが機関車に置き換えられても
やはり違和感ないのが面白いです。

そして伊福部昭の代表的な特撮音楽といえば「ゴジラ」(1954年)のそれでしょう。
「ゴジラ」組曲では、もう少し音の厚みというか、重厚さが欲しくなりました。
武骨なゴジラにしては音が薄いような…?

しかし後に「怪獣大戦争」のマーチに転用されるフリゲート艦出動シーンの曲は、
このくらいの明快さがちょうど良いかと思いました。
エンディングではこの曲だけのために女声合唱まで動員し、
手を抜かない本格的な再現に頭が下がります。

期待の「海底軍艦」(1963年)の組曲はもう最初の曲から感動の涙がちょちょぎれます。
東宝特撮映画で好きなの一本選べと言われたら、わたしはこれですね。
「マタンゴ」とか「ガス人間第一号」とか「世界大戦争」とか「妖星ゴラス」とか、
傑作はたくさんあるんですけど、やっぱり第一に「海底軍艦」ですね。

組曲として主要な曲はおさえてあるのでしょうが、
「挺身隊出動」(M-30)が入ってるのは感激。



かつて東宝特撮未使用フィルム大全集サウンドトラックとして作られた
「OSTINATO」(キングレコードK32X7037)というアルバムは、
伊福部昭の特撮映画音楽をスコアからオーケストラで録音しなおしたもので、
なによりステレオ録音という魅力があり、大変うれしい企画でした(CDは1996年発売)。
この中で海底軍艦からはM30「挺身隊出動」が選ばれ収録されています。
この曲が好きで、手に入れてから今日まで、何度も繰り返し聴いたものです。
だから今回もワクワクしながら楽しみました。
ムウ帝国の曲に海底軍艦のテーマが続き、いかにもBGM的な曲なのだけど、
躍動感がすごく魅力的。

「海底軍艦」のヒロインはムウ帝国の女王(小林哲子)と
海底軍艦の司令官神宮司大佐の娘真琴(藤山陽子)ですが、
彼女のテーマ曲である「真琴のテーマ」はいかにも日本的な叙情性が表現されていて、
ひたすら美しい曲であります。

そして何といっても、35から38までの凄まじくヒートアップしていく流れが最高!
かっこよすぎでハイテンション、ものすごい迫力にアドレナリン出まくりです。
ここはもう近所迷惑にならない程度にボリュームアップして聴きたい箇所です。

「地球防衛軍」(1957年)の組曲は有名なマーチを中心に超科学戦争を音楽で描きます。
海の中が主戦場だった「海底軍艦」と対比すると、こちらは空と陸。
音楽もSF的で、空に向かって放たれるようなメロディをもって、
畳みかけるように前のめりに進むマーチは、
会場にいたらめちゃくちゃ興奮しただろうなあ、と思います。

ラストの「ゴジラVSキングギドラ」からの3曲はアンコールとのこと。
1991年というわりと近年の作品ですが、当時伊福部先生が久しぶりに
特撮映画の音楽を担当して話題になりました。

キングギドラのテーマと怪獣大戦争のマーチ、
そしてゴジラのテーマをもってコンサート(当日のコンサートであり、
わたしにとっては自宅での再生コンサート)は幕を閉じます。

これ1枚聴くと、かつて映画館で、テレビで、あるいはビデオやDVDで観たあのシーン
このシーンが思い起こされ、わたしはかつてデアゴスティーニのシリーズで集めた
東宝特撮映画のDVDを見直したくなりました。

ライヴならではの演奏のアラはあるし、音質も最上ではありませんが、
なんといってもこれらの曲がステレオ録音で聴けるのがまず嬉しい。
しかも曲構成がよく、ノリノリな愉しさです。
しかし、おそらく盛大だったであろう会場の拍手がカットされてるのは
個人的に残念ですが。
それと、録音レベルが低めなので、
ボリュームを通常より少し上げて聴くと幸せになれます。

この百年紀企画のコンサートはVol.2、Vol.3も予定が決まっているようです。
おそらくそれらもCD化されるのでしょう。
というか、してほしい。
楽しみなことです。

最後に、スリーシェルズというレーベルは、「3人の会の團伊玖磨、芥川也寸志、
黛敏郎をはじめとする日本人作曲家の作品の復権を目指すレーベル」とのこと。
その方針に敬意を表し、今後の発展・活躍に大いに期待したいと思います。
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