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2014.06.09 (Mon)

ムカシ×ムカシ


「ムカシ×ムカシ」
森博嗣著
講談社ノベルス
2014年発行

森博嗣のXシリーズ第4弾です。
同時に進んでるXシリーズとGシリーズですが、
ここんとこGシリーズが続いてたので、先にそちらを片しちゃうのかと思ってました。
ところが今回久方ぶりにXシリーズの新作です。
なおカバーの予定をみると、次は「サイタ×サイタ」「ダマシ×ダマシ」となってます。
Xシリーズは全6冊予定らしいから、先にこのシリーズが片付くのですね。

椙田泰男(その正体は…)の経営するSYアート&リサーチには正社員の小川令子と
アルバイトの真鍋瞬市が勤務し、それに外部の探偵の鷹知祐一朗が絡むという
レギュラー登場人物構成ですが、今回は前作「タカイ×タカイ」にちらっと登場した
大学生の永田絵里子がアルバイトとしてメンバーに加わります。
にぎやかになり、Gシリーズの登場人物たちに近い雰囲気になってきました。

ある殺された資産家夫婦の邸宅で大量の骨董品や美術品を調べ目録を作るのが
今回の彼らの仕事。
ところが親族が次々に殺されていき…。

このシリーズ久しぶりなので、前の作品の内容あまり覚えていませんが、
あの天才科学者が暗躍するGシリーズと比べ、もちっと世俗的な方向かと
思っていましたら、こちらも不思議な森ワールド。
密室が登場しますが、詳しい状況はまったく語られません。
死体に装飾されたアレの意味もわかりません。
暗号みたいのもよくわからん。
まあ登場人物も少なくて、明らかにフウダニットではないのでしょうが、
犯人の設定よりも悲しい真相が胸を打ちます。

今回西之園さんは登場しません。
そのかわり、過去のシリーズに出てきた「あのひと」が顔を出します。
また天才科学者のひとも事件とは直接関係しないものの、その影を見せます。

あれっ!と思ったのが、オーディオに関する記述。
「どうして、アンプの音の違いを見過ごせるのか」という小川令子のセリフにおやっ?
そして、彼女が椙田と高級料理を食べるシーン。
料理もオーディオも同じで、高いものは濃厚ではなく澄んでいると彼女は考える。
ややっ!
また、小川令子のマンションの部屋には、「自動車くらいする」スピーカーが置いてあるらしい。
これはっ!
ちょっとオーディオに関連した描写が多いではないですか。
小川令子はオーディオマニアらしいけど、
アンプの音に関する思いは森博嗣氏自身のものだろうか。
むかしの作品でオーディオ装置が出てくるお話があり、
そのとき森氏はオーディオに不慣れなため、
オーディオマニアの知り合いの装置を見せてもらったと何かで読んだ記憶があります。
森さん、もしかして、その後ハイエンダーになっちゃったのかしらん(笑

だとしたら…ぜひオーディオの本書いてください!

【追記】
知らなかったのですが、短編集「レタス・フライ」に小川令子が主役の
「ライ麦畑で増幅して」という作品が載っているのですね。
「レタス・フライ」はもってるのですが、ノベルスなんですよね。
この短編は文庫オンリー掲載らしい。
文庫化にあたり収録作が増えるのはたまにあり、困った傾向ですが(笑)
短編一編のために新たに買うわけにもいかず、本屋さんでパラパラめくってみました。
小川令子が椙田に雇われる時のエピソードですが、
この作品にもアンプの話が出てきますね。
タイトルからして増幅ですしね。
小川令子がお高いアンプとリーズナブルなアンプを聴いて、安い方が良いという。
理由はそちらの方が好きな音だから。
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*Comment

森さんというと思いだすのが、数年前に刊行した、「トーマの心臓」の日本版です。

萩尾望都先生の名作「トーマの心臓」を、日本を舞台に作り替えた話。
かなりの荒技でした。

文章はこの人らしくしっとり退廃的な感じが良かったですが。
何故日本……
いちごみるく |  2014.06.09(月) 22:15 |  URL |  【コメント編集】

>いちごみるくさん
え・え・えー。そうなのですか\(◎o◎)/
ぼくはアレ、萩尾先生ファンの森さんがノヴェライゼーションしただけだと思って買わなかったのです。
日本に置き換えてあるというと、トーマは常識的に斗真とかですかね。まさか鈴木一郎なんてしないですよね。
オスカー・ライザーなんてどうなんだろう。
ぼくの好きなオスカー・ライザーは。
暗ヲ |  2014.06.09(月) 22:47 |  URL |  【コメント編集】

えっと、追記です。

舞台は日本ですが、生憎鈴木一郎ではなかったですね。
はっきり明記していないのですが、明治か大正時代のエリートが集まる寄宿学校の男子生徒たち、という設定になっています。

当時の日本はドイツよりで、英語よりドイツ語やラテン語の方を学ぶ傾向が強かったようです。

で、キャラクターたちの名前はそのままでした。
あだ名で呼び合うのがトレンディみたいな学校っぽかったです。

だからトーマはトーマでユーリはユーリです。
本名が鈴木一郎だったかもしらんが、そこは言わぬが花ということで、森さんが日本名は敢えて書かなかったのでしょう。

挿絵は萩尾望都先生なので、それだけでも見る価値がありますよ。
最近のデジタルを見慣れた目には、鉛筆で描かれたその線一本一本から垣間見える真の才能が眩しすぎる……
いちごみるく |  2014.06.13(金) 14:37 |  URL |  【コメント編集】

>いちごみるくさん
なるほど。明治~大正の寄宿学校とはうまい時代・場所にもってきましたね。
木原敏江サマの「摩利と新吾」を思い出しますねー(^O^)
萩尾先生の挿し絵なのですか。なんと豪華な。
そうそう、むかしは落第することをドッペるとか、女の子のことをメッチェンとか、接吻のことをベーゼとかいってましたねえ。
いや、わしはそんなむかし知らんけども(^O^)
暗ヲ |  2014.06.13(金) 15:38 |  URL |  【コメント編集】

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