「神様ゲーム」
麻耶雄嵩著
講談社ノベルス
2012年発行


「さよなら神様」
麻耶雄嵩著
文藝春秋
2014年発行

麻耶雄嵩氏は好きなミステリ作家の一人なので、
こないだ書店で平積みされてた新刊「さよなら神様」を見かけ、
中身も見ずに買って帰ったのですが、調べてみたら「神様ゲーム」の続編とのこと。

ところが、麻耶氏は好きなミステリ作家なのに「神様ゲーム」は読んでいませんでした。
なぜならこれは講談社のミステリーランドという、
子ども向けのいわゆるジュブナイルぽく作られたシリーズに含まれた小説で、
いくら好きな作家の作品でも、このシリーズは読まなくていいかな、
と思っていたからです。
ところがミステリーランドは実際には子ども向けでもなんでもなく、
それっぽく作られながら、内容は「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」
ミステリ叢書ということで、内容的には必ずしも子ども向けの小説とは
いえないのでした。

そこで慌てて今や講談社ノベルスから出ている「神様ゲーム」を買い、
そちらから読むことにしました。

小学生の主人公芳雄君(明智探偵の助手、少年探偵団の団長、
小林少年と同じ名前ですね)は、無口で目立たない転校生の鈴木君に
ひょんなことから話しかけてみると、彼はなんと神様だというのです。
何でも知っているように見える彼に身近で発生している猫の連続殺害事件について訊くと、
神様は犯人の名を告げるのでした。
芳雄君は級友たちで組織された探偵団の仲間たちと
犯人と名指しされた男を調べはじめるのですが、
やがて親友が探偵団の秘密基地で殺される事件が起きます。
芳雄君は神様に…。

はたして犯人は猫殺しと同じ人物なのか…。
最後に明らかになる真相はかなりキョーレツです。

この作品に登場する小学生たちは、会話も考え方もとても小学生とは思えませんが、
わたしが小学生やっていたのは遥か昔だから、
いまどきの小学生は変わっちまってるかもしらん。

懐かしいな、と思ったのは少年たちが秘密基地にしている廃屋。
わたしが子どものころも、誰も使ってなさそな古ぼけた倉庫に、
友達と漫画や懐中電灯やお菓子や銀玉鉄砲を持ち込んでは
基地ごっこをしてよく遊びました。

この「神様ゲーム」、後味が悪いというのが売りのようですが、たしかに悪いです。
とはいえ、麻耶氏の作品はおおむね後味悪いように思います。
デビュー作の「翼ある闇」にしても、探偵はアレだし、犯人はアレだし、
最後はアレだし。
「夏と冬の奏鳴曲」にしても「隻眼の少女」にしても後味はよくないし。
でも、その後味の悪さが麻耶ワールドの魅力でしょう。

続編「さよなら神様」は、神様こと鈴木君が、前作のあと転校した小学校でのお話。
神様も同じキャラでは退屈するらしく、今度はイケメン、スポーツ万能、
女の子にモテモテな存在になってます。
前作よりも子どもたちのおとな度はパワーアップです。
長編だった前作と違い連作短編集で、
神様が一行目で犯人を指摘するのが今回のパターン。
いわゆる倒叙形式の形をとっています。

とはいえ事件が犯人側から描かれてなく、あくまで犯人の名前が指摘されるだけで、
動機や手段は謎ですから一般的な倒叙ものではありません。

さらに一筋縄ではいかない麻耶氏のこと、
連作の中盤では叙述トリックめいた設定が明らかになったり、
最終章では連作を通しての意外な真相らしきものが明らかになったり、凝ってます。
最終頁は意外なアレだし。
こちらは後味悪くないかな。あはは。

さすが、わたしが勝手に呼んでいる三大マヤの一人麻耶雄嵩氏のミステリ、
期待に違わず、今回もおおいに楽しませてくれました。

*ちなみに三大マヤ=麻耶雄嵩氏、魔夜峰央氏、北島マヤ氏。
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08/23|Book(ミステリ)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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