「トオリヌケ キンシ」
加納朋子著
文藝春秋
2014年発行
加納朋子さんの最新作。
今回は他人とのコミュニケーションを阻害する疾患や特殊な感覚をテーマにした6編、
「トオリヌケ キンシ」
「平穏で平凡で、幸運な人生」
「空蝉」
「フー・アー・ユー?」
「座敷童と兎と亀と」
「この出口の無い、閉ざされた部屋で」
を収録した短編集。
どれも主人公たちが悩んだり苦しんだりしながら、
未来に通じる出口を見いだすまでを、加納さんらしく優しい視線で描いています。
ただこの中では毛色のいささか違う、最後の「この出口の無い…」は
加納さんならではの作品といえましょうが、
悲しいラストのちょっとつらいお話でした。
個人的には「平穏で平凡で…」が好き。
また「座敷童と…」におけるご近所軍団〈ババーズ〉や
やたらしっかりしていて頼もしいヒロインの息子さんが印象に残りました。
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