東川篤哉著
文藝春秋
「魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?」
2012年発行
「魔法使いと刑事たちの夏」
2014年発行

東川篤哉氏のミステリを読むのはこれが初めてです。
もちろん有名作家でお名前はいつも見かけていたし、
ドラマになったお嬢様と執事ものもテレビでちらとは見たのですが、
キャラ先行型で内容はあまり面白くないミステリを書くひとと
勝手に思い込んでいました。
申し訳ない、大きな大きな間違いでした。

書店でこの魔法使いマリィのシリーズを手にとって帯をみたら、
変態な刑事と美人でキツそうな上司に魔法使いの少女がからむという
なんとも興味深い設定。
試しにと買って読んだんだけど、これがめちゃくちゃ面白い。

そもそもミステリに魔法使いとか超能力者を登場させるのは
大昔のノックスの十戒のひとつ「探偵方法に超自然能力を用いてはならない」に
反するわけです。
もちろんノックスの十戒にしろヴァン・ダインの二十則にせよ守る必要はなく、
違反してる傑作もいくらでもあります。
しかしもし魔法や超能力を使って事件を解決してしまえば
ミステリとして面白くなくなるのは必定。
だからミステリにそれらの超常的設定を導入する場合は、
謎の解明に対する絶対的な手段としては使用しない工夫が必要になります。



たしか余志宏氏の「蒔く如く穫りとらん」(昭和52年、講談社刊)でも登場する娘名探偵の
ちょっとした能力を味付け程度に使っていたと記憶しています。

この魔法使いマリィのシリーズは倒叙形式を用いてるので、
最初から犯人が明かされます。
魔法を使い箒で空を飛ぶマリィは主人公の刑事を手伝って、
魔法で犯人に自白させるのですが、それだけでは逮捕できないので、
その後刑事がどうやって犯罪の証拠をつかみ犯人を落とすかが主眼になっています。
だからこの場合魔法使いを登場させてもミステリとして何ら問題ありません。

このシリーズは地の文章ならびにセリフが軽妙でギャグ効いてて面白すぎです。
主人公の刑事は捜査そっちのけで美人上司―39歳独身でナイスバディの
揺れる足ばかり見ているし、微妙なお年の上司は事件の関係者が
独身のイケメンと見れば惚れまくるし、そしてなんといってもマリィがかわいい。

2作とも短編集で、それぞれ4作品ずつ収録されています。
毎回違う家の家政婦さんをして働いている(毎回その家の雇い主が犯人か
殺されるかするので)マリィは1作目の最後で主人公の刑事の屋敷に住み込みの
家政婦さんとして雇われます。
そのため2作目では家政婦さんとしてお台所仕事をする背中姿のマリィも描かれ
さらに萌え萌え度UPです。

話を追うごとに主人公とマリィの仲が良くなっていくのも微笑ましく、
次作があるかどうか知りませんが、ぜひ続けていただきたいシリーズです。
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11/03|Book(ミステリ)コメント(2)トラックバック(1)TOP↑
この記事にコメント
こんにちは。同じ本の感想記事を
トラックバックさせていただきました。
この記事にトラックバックいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。
From: 藍色 * 2015/11/06 13:40 * URL * [Edit] *  top↑
>藍色さん
こんにちは、初めまして。
トラックバックありがとうございます。
さて、トラックバックしてみましたが、初めてなもので、うまくいってたらよいのですが…。
From: 暗ヲ * 2015/11/06 15:43 * URL * [Edit] *  top↑
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