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2014.12.06 (Sat)

首鳴き鬼の島


石崎幸二著
「首鳴き鬼の島」
東京創元社
2007年発行

石崎幸二氏といえば、講談社ノベルスでシリーズ化されている、
サラリーマンでありながらお嬢様学校のミステリィ研究会顧問を務める
作者と同名の石崎幸二が、生徒の御薗ミリア、相川ユリ、深月仁美らとともに
毎回孤島での事件に巻き込まれる、お笑いミステリが有名ですが、
本作は現在おそらく唯一のノンシリーズ作品で普通に真面目な
(実はあんま真面目に見えないけど)本格ミステリです。

やっぱり嵐の孤島を舞台に、伝説の内容に見立てた陰惨な連続解体殺人事件が
起きるのですが、真面目な本格ミステリとはいえ単に出版社社員でありながら
事件が起こると名探偵よろしく偉そうに現場をしきり、指紋を消さないよう
現場保存を徹底させ、しかも現場をいちいちデジカメで撮影する主人公の稲口は、
講談社ノベルスのシリーズにおける石崎幸二(作中人物)の、
ちょっとだけ真面目版であるとも思われます。

殺害現場における相棒とのやりとりでは、
「生きてるのか?」
「脈が取れない」
「そうか。駄目か」
「そうじゃない。右腕がないんだ。だから脈が取れない」
なんてギャグすれすれの展開だし、殺人が起こっても落ち着きすぎてる登場人物等
ライトな流れが非現実的なのだけど、逆にすらすら読みやすいのはポイント。
また伝説が元になってる事件の場合、その伝説の内容を読むのが面倒くさくて
嫌になっちゃうのだけど、本作では短くまとめられており好印象です。

またかよと云いたくなるくらい作者お得意のDNAがかかわってくるトリックが
滅法素晴らしく(ふとフレッド・カサックが頭に浮かんだんだけど気のせいかも)、
探偵役が二段がまえになる、たまーにどこかでみるような設定も面白いです。

伏線的な描写が気になってもしやと思うと素直にそうだったり、
館の内部の位置関係がわかりにくかったり、あのアナグラムの件はないだろとか、
人物の性格のわからなさとか、問題もあるんだけど、

こまけぇことはいいんだよ!!そんかわりこんなすげぇトリック考えちゃったぜ!!!

な作品。
とにかくトリックにおいては最近最も感心した作品であります。

主人公が悲惨すぎるけど。。

こりゃやっぱり…立ち直りメチャクチャ遅いヴァージョンの石崎さんだあ(笑
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