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2015.08.01 (Sat)


「2」
野崎まど著
メディアワークス文庫
2012年発行

凄い作品でした。

主人公数多一人は役者を目指している青年。
そんな彼の前に天才監督最原最早があらわれ、一緒に映画を撮ろうと誘います。
彼女の作ろうとしている映画とは。

[映]アムリタのヒロイン最原最早が再び登場する映画作りの話です。
しかし「2」という本書のタイトルはアムリタ2の意ではありません。
本作の中で作られる映画のタイトルが「2」なのですが、
本当の2の意味が終盤登場人物により語られます。

しかし思えば―
二人が映画を作るため、資金援助を頼む人物―あのひと。
最も面白い映画を作るため脚本を依頼する世界一の作家―あのひと。
演技の下手な主人公をある学校に通わせるその講師は―あのひと。
その他この作品には今までの野崎まど作品のキャラクターが大勢登場するのです。
それもよくある特別出演ではなく、
彼らの作品世界の設定を「2」に見事に絡み合わせているのです。
ですから、本書は「[映]アムリタ」、「舞面真面とお面の女」、
「死なない生徒殺人事件」、「小説家の作り方」、「パーフェクトフレンド」、
すべての2といっても良いと思います。

想像すると恐ろしいのですが、もしかするとこの「2」を書くために
これ以前の作品を書いたのではないかと、考えてもしまいます。
そんな遠大な計画性と構成力を持ち合わせているひとだとしたら、
まるで最原最早のようです。

まあそんなわけで、本書を読もうという方は
上記の作品群を読んでからにしたほうが絶対楽しめます。

主人公と最原最早が一緒に映画を作ることになるまで
100頁ちょっとかかります。
主人公がある有名劇団と関わっていくお話で、いらないようにも思えますが、
夢を持って努力して役者をめざす若者たちが、
天才最原最早の一言で挫折し劇団が壊滅する展開は、
やはり超絶的な本書の導入部として必要だったと思います。

いやはや凄まじい物語で、クライマックスのあたりまでくると、
なぜか、天才永井豪の「デビルマン」を思い出したり。

500頁を超える大作ですが、夢中で読み終えました。
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