「おかしな遺産」
シャーロット・マクラウド著
戸田早紀訳
創元推理文庫
2015年発行

シャーロット・マクラウドのコージーミステリ、
セーラ・ケリング・シリーズの最新作(1995年)です。
本書の刊行を知ったときは驚きました。
だって、前作の 「復活の人」が翻訳刊行されたのが1996年で、
それから19年経っているのです。



このシリーズの長編は創元推理文庫と扶桑社ミステリーの
二社にまたがって発行されてきました。

納骨堂の奥に(創元推理文庫)
下宿人が死んでいく(創元推理文庫)
盗まれた御殿(創元推理文庫)
ビルバオの鏡(創元推理文庫)
消えた鱈(創元推理文庫)
唄う海賊団(創元推理文庫)
リサイクルされた市民(創元推理文庫)
富豪の災難(扶桑社ミステリー)
ポカパック島の黒い鞄(扶桑社ミステリー)
復活の人(創元推理文庫)

長編以外ではマクラウドの短編集「お楽しみが一杯!」(創元推理文庫)に
セーラものが2編含まれています。
マクラウド編の短編集「聖なる夜の犯罪」(ハヤカワ文庫)にはセーラものが1編。
ミステリ作家13人による短編集「13のダイヤモンド」(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
には、セーラこそ登場しないけど、ケリング一族の女性のお話が一編収録されています。
本書(「おかしな遺産」)巻末の大矢博子さんの解説を読むと、
「ミステリーズ!vol.11」にやはり一族関連の短編が載っているらしいです。

その後もシリーズが続いていたにもかかわらず翻訳出版は途切れていたわけですが、
本がそうそう売れない時代になって久しく、シリーズものが途中で途切れたら、
まずもう続きは出ないと諦めていたわけです。
それが復活したのですから、嬉しいやら戸惑うやら。
もうね、ヒロインのセーラが前夫と死別したあと探偵のマックスと結婚し、
さまざまな事件を仲良く解決する、とゆうアバウトな流れしか覚えてません。
だから本書の最初の方でいろんな人物の名前が出てくるのを見ては、
はて、誰かなこれはという状況ではありましたが、
さりとて今までの作品を読み直す時間も気力もないわけです。
しかしまあそんな人物関係は本筋とはあまり関係ないので、
気にしないで読み進んでも大丈夫でした。

美術品専門の探偵であるセーラの夫、いとしのマックス(って歌がありましたね)が
海外出張中にウィルキンズ美術館で旧知の女流画家が殺されます。
なぜか遺言執行人に指名されたセーラですが、
なんと彼女にも何者かの魔の手が迫ります。
セーラは珍妙な変装をして敵の目をくらましながら真相を探ろうとします。
画家の貸金庫を調べると、そこにはおかしなものが…。

最近はライトなノベルばかり読んでたので、
合間合間に過去の思い出やヒロインの心情が挟まれ、
本来の進行が後回しになるゆったりした展開は慣れるまで戸惑ったのですが、
逆に作品に広がりを与ており、読み応えがあります。
海外のコージーミステリの特色だと思いますが、
脇役が実に個性的で生き生きしてるのが魅力です。

さて、著者はすでに亡くなってますが、シリーズはあと一作、
The Balloon Manが残ってます。
こうなったら創元さん、多分出してくれるでしょう。
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08/08|Book(ミステリ)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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