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2015.09.21 (Mon)

そして、何も残らない


「そして、何も残らない」
森晶麿著
幻冬舎
2015年発行

ある地方の町にある中学校の軽音楽部、その中で結成されたロックバンド。
それを煙たく感じことあるごとに攻撃してくる教師。
彼の手により部は廃部に追い込まれ、
しばらくしてバンドの中心的な少年が命を落とします。

3年の月日が流れ、高校を卒業したヒロインは、死んだ少年の妹に、
今は廃校になっている中学校に部のメンバーとともに呼び出されます。
例の教師も呼び出してあるから、ここで復讐をしようと。
ところが、何者かによって持ち込まれたミニコンポから
「卒業生諸君に死を」という教師の声が流れ、
メンバーのひとりが倒れます。
警察に連絡しようにも携帯の電波が届かず、
学校に来るときに通った橋も焼き落とされ、孤立した状態で、
かつてバンドの作った曲の歌詞になぞらえた形で
次々にメンバーが倒れていくのでした。
はたしてあの教師の犯行なのか…。

アガサ・クリスティー賞を受賞した著者ならでは、タイトルはもちろん、
お話しの展開もクリスティーの有名作にオマージュを捧げているであろう作品です。

最初の方こそ状況を把握するのに時間がかかりましたが、
途中からは夢中で読みふけりました。

見立てや叙述トリックも登場し、もちろんミステリではあるのだけど、
読み終えてみると、これはむしろ青春物語なのでした。
読み応えありました。
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