「雛菊こころのブレイクタイム1」
ひなた華月著
講談社ラノベ文庫
2015年発行

第四回講談社ラノベチャレンジカップ〈佳作〉受賞作品とのことです。

主人公の高校生、小田伊莉也君の家は喫茶店を営んでいます。
父親からコーヒーの淹れ方を教わって修行してきた彼は中学生のころ、
初めてお客さんに自分の淹れたコーヒーを出します。
そのとき「美味しかった」と言ってくれた女の子が忘れられないのですが、
なんと高校で再会することになるのです。
彼女はひとつ先輩で雛菊こころ。
生徒指導室で生徒の悩み相談を請け負って、「お雛様」と呼ばれております。
伊莉也君はひょんなことから、
お雛様のために毎回生徒指導室でコーヒーを淹れてあげることになります。
と、同時に、お雛様を頼って相談に来る生徒の悩みをコーヒーを出しながら、
一緒にきく立場になるのでした。
「あなたの悩み、雛菊こころがお聞きします」
の決めゼリフとともに、相談者の悩みに真摯に向かい合い、
心理学的手法を用いて依頼者の悩みを解決していくお雛様。
しかし、そんなお雛様にも過去の深い心の闇があって…。

喫茶店を舞台にしたラノベも数多いですが、
本作は言ってみれば出張喫茶店みたいな設定。
ラノベとしてはおとなしいタイプの作品ですが、
お雛様の相談者に対する優しい気持ちと、伊莉也君の何とか彼女の、
また相談者の役に立ちたいと精進する一所懸命さが心を打ちます。

途中から自称占い師で昔のお侍さんみたいな話し方をする、
元気な能登桃花が仲間に加わり、物語はにぎやかに進みます。
相談を持ちかけてくる女生徒たち(なぜかみんな女生徒)もみな魅力的。
エピソード限定ではなく、その後も他のお話にちょこちょこ関わっていく
展開も良くできてます。

良質なラノベで、優しい文章の雰囲気と作者の名前から、
女性の作家さんだとばかり思っていたら、
あとがき読むとどうも男性のようです。
これは意外でした。

とにもかくにも、お気に入りのシリーズが増えました。
1とあるからには、続くでしょう。
ヒロインがなぜ金色の髪なのかもまだ判明していないし。

ラノベはイラストが大事で、相乗効果でイメージが形作られますが、
本作のイラスト担当笹森トモエさんは正統派少女漫画風で素敵な絵を描かれ、
作品世界とぴったりです。

次巻も期待です。
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01/09|Book(青春・恋愛・ラブコメ)コメント(2)トラックバック(0)TOP↑
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なるほど面白そう。こういったジャンルも書いてみたいな。
笹森トモエさん……まだお会いしたことないな。
From: めいり * 2016/01/10 06:14 * URL * [Edit] *  top↑
>めいりさん
最近はミステリでも「日常の謎」ものが増えてきましたねえ。殺人事件みたいな一般人が近づきにくい殺伐としたものより、気楽に読めて楽しめるってことでしょうかね。
笹森さんのイラストはラノベでは珍しい、女の子なイラスト(女性だから当たり前のようではありますが、男目線じゃない絵というか…)って感じしてすごく気に入りました。
From: 暗ヲ * 2016/01/10 07:35 * URL * [Edit] *  top↑
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