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2016.01.11 (Mon)

フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない


「フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない」
一肇著
星海社文庫
2015年発行

作者は一肇さんと書いてにのまえはじめさんと読みます。
青春怪談小説だそうです。
かつて星海社FICTIONSで刊行された作品の再編集文庫版らしいのですが、
わたしは今回初めて知りました。
なにせ推薦人のメンツがすごいです。
綾辻行人氏、栗山千明氏、辻真先氏、乙一氏、虚淵玄氏。
あ、女性が混じってるのに“メン”ツなんて書いていいのかな?

山田凪人という大学生が主人公です。
彼が住むことになった家は「願いの叶う家」なんていわれてて、
家賃が安いのに、すごく素敵な家。
喜んでいたのもつかの間、怪現象が起こるのです。
それで彼は自分が所属しているオカルトサイトのオフ会で相談しようとするのですが、
出席者はみんなサイトの有名人物夜石が来るらしいので
彼女目当てで集まってきたのでした。
で、結局夜石も来ないし話もできないまま終わります。
しかしオフ会後にまた奇っ怪な現象に直面した彼は光を求めてオフ会会場に戻ります。
その店の外で佇んでいたのが夜石…美鶴木夜石(みつるぎよいし)という
高校生の美少女でした。
彼女はオフ会の間ずっと外で覗いていたのです。
妙にオカルトに興味を持つ彼女は彼の家に一緒に行き、何かを発見し、
盛大に吐くのでした。

夜石は生きた人間じゃない、夜石に出逢ったやつは七日後に死ぬ、と噂される、
常人ばなれした不思議な雰囲気の少女に出逢ってしまった主人公は、
夜石に近づくなという、大学の先輩でオカルトサイトの管理人、
童顔巨乳メガネっ娘なクリシュナさんの警告もなんのその、
夜石に引きずられるように、自分の家の怪奇現象を皮きりに
次々と異常な世界に関わっていきます。

美少女なのに盛大に吐くし、お風呂が嫌いで酸っぱい匂いのするほど臭い夜石が、
かつてみたことない新鮮な文字通りダーティーヒロインです。
へたれなのに霊に肩入れしてしまう主人公が、
ちょっと共感できないけど、かっこいいです。

一冊読み終わるとこれが怖いだけじゃなく、なかなかの感動作。
主人公のビルドゥングスロマンでもあります。
そう、これはやはりホラーじゃなくて、青春ホラーなのです。
第一話は映画の「ヘルハウス」を思い起こす展開があるし、
第三話は楳図かずおの「おろち」中の「ふるさと」が頭をよぎり、
ホラーにほとんど免疫のないわたしも懐かしい思いを抱きながら読み終えました。

すでに弐もでましたが、全部で5冊、次々に刊行される予定なのでこれからも楽しみ。



あと、この文庫本、紙が厚めな点と、昔風に栞の紐がついてて、
とても体裁がよい点もポイント、
また安倍吉俊さんのダークなイラストもナイスです。
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