「誰も僕を裁けない」
早坂吝著
講談社ノベルス
2016年発行

娼婦にして名探偵の美少女高校生上木らいち久々の登場です。
いや、一作置いただけだから、そんな久々でもないか。

エロミスと社会派を融合させたと謳われてますが、たしかにそのとおりの力作です。

物語はおおむね二人の視点から語られます。
ひとつは戸田公平という高校生。
ある女性と知り合いになり、恋心がめばえますが、
彼女は厳しい家庭の娘のようでいつもボディガードがついてます。
彼女の案で深夜彼女の家に忍び込んだ彼はいい思いをするわけですが、
朝父親に見つかり警察に逮捕されます。
どうも彼女は印象と違い未成年だったらしく、
淫行条例にひっかかったのでした

もうひとつは上木らいちの視点。
ある時メイド服とともにメイドとして雇いたいという手紙が届きます。
指定された家に出向くと、なんと大邸宅。
ところが、どうも出てきた執事も主人も当惑している様子。
それでもなぜか雇われたらいちはメイドとして働くことになりますが、
やがて起こる連続殺人事件。

とりあえず、らいち側の殺人事件と公平側の檻の中での状況が交互に語られていきます。
もちろん二者はあるところで重なりますが、
その二つの一見関係ないお話が重なるロジックが見事。
○○トリックに○○トリック、トリックと仕掛けがふんだんに使われていて、
昨今こんな贅沢なミステリは珍しいのではないでしょうか。
素晴らしいアクロバットで最初の頁から騙されてました。

たしかに社会派。
そして本格ミステリ。
あと遺伝ティティというバンド名が秀逸。
作中に出てくる甲賀三郎の短編は知らないが、気になる。

私はデビュー作の「○○○○○○○○殺人事件」を高く評価しておりますが、
本作はより普遍性を持った、それでもキテレツな傑作として、
デビュー作を凌駕していると思います。

拍手喝采、これからがますます楽しみな作家さんです。
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03/12|Book(ミステリ)コメント(2)トラックバック(0)TOP↑
この記事にコメント
早坂氏の新刊でましたか。勢いがありますねえ。おなじノベルス組なので、わたしも負けないようにがんばろう。
From: めいり * 2016/03/12 10:36 * URL * [Edit] *  top↑
>めいりさん
最近素敵な本格ミステリの書き手が増えてきたように感じます。
講談社ノベルスは特に若い力の勢いが多いレーベルのように感じてます。
4月のノベルス、楽しみです♪
From: 暗ヲ * 2016/03/12 11:15 * URL * [Edit] *  top↑
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