2017年04月 / 03月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫05月

2016.05.01 (Sun)

屋上の道化たち


「屋上の道化たち」
島田荘司著
講談社
2016年発行

御手洗潔シリーズ50作目。
ただし短編集の短編を一作ずつに数えてるし、
御手洗さんが直接的には活躍しない「龍臥亭事件」や「龍臥亭幻想」、
「ハリウッド・サーティフィケイト」もカウントされてます。
まあ御手洗さんも電話等では登場するし、石岡くんやレオナさんががんばれば、
それは御手洗シリーズと呼んでもいいでしょう。
映画「探偵ミタライの事件簿 星籠の海」の公開も控えているし、
今年はミタライ・イヤーともいうべき年ですね。

さて、本作ですが、ある銀行の屋上から行員が何人も飛び降りて死にます。
しかしその行員たちには自殺する理由がないのです。
屋上には他に人間はおらず、さらに飛び降りるところを目撃した人物も出てきます。
なぜ彼らは飛び降りたのか。
自殺じゃないとしたら、何者の仕業なのか。
いわゆる密室状態なのに、どうやって殺したのか。
不思議な謎を御手洗さんが解きほぐします。

トリックのひとつは過去作のアレを思い出しはしましたが、
様々なファクターがひとつに収束していく謎解きはいつもながらロジカルで見事。
後半御手洗さんが登場するまでの銀行員たちの会話がめちゃくちゃ面白く、
さらに一見関係ない不遇な二人の人物がからんでいく様は、
いつもながらワクワクするストーリーテリングぶりです。

前半における大阪出身の女性行員の大胆で憎めない濃いキャラクターと、
彼女に感化され、まわりの銀行員がみんな大阪弁しゃべっちゃうところ、
後半登場する御手洗さんに事件を持ち込む新聞記者と、
その弟の刑事のユーモラスなやりとりなど、謎なぞに直接関係はないけど、
島田流の書き込みがお話の宇宙を膨らませてます。

シリーズ50作目の節目にふさわしい大作で満足満足。
御大にはシリーズ100作目に向けて書き続けていってほしいです。
関連記事
スポンサーサイト
07:50  |  Book(ミステリ)  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

*Comment

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除するのに必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

*Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://kusopanda.blog130.fc2.com/tb.php/2361-39697866

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP |