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2016.09.17 (Sat)

時限人形


「時限人形」
川辺純可著
原書房
2016年発行

「焼け跡のユディト」で第6回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作を受賞した
川辺純可さんの新作です。
「焼け跡のユディト」に登場するディック氏のキャラがユニークで気に入ったので、
シリーズ探偵になったらよいなと思ってたのですが、残念ながら登場せず。
まあ時代背景も違うわけですが。
しかしまたまた魅力的な探偵役を作り出してくれました。

高校教師の石山は教え子の誘いで彼の一族の島にわたりますが、
折りからの嵐の中、連続殺人が起こります。
しかも一年前にもひとり謎の死を遂げていて。
さらに七年前には失踪している老人がいて。
はたしてそれぞれの事件は関連があるのかないのか。

嵐の中、外部と連絡がとれない状況で起こる連続殺人はお約束の嵐の山荘シチュ。
死体のそばに置かれた謎の人形とか、村上水軍のお宝探しとか、
昔風本格探偵小説に欠かせないアレとかがサスペンスを高めています。

事件の謎を解くのは若名芹という、したたかそうで自分勝手そうな
エキセントリックな女性。
つまり、たいそう魅力的キャラですが、
このようなキャラは女性でないと書けないのではないかと思いました。
逆に石川は主人公でありながら気弱な草食男子。
まあわたしみたいな(笑

合間合間に語られる別の時間の別の物語が読み手のミスリードを誘います。
正直わたしが考えていた可能性はみんなはずれました(笑

巻き散らかされた伏線が悉くレッドヘリングとして機能している構成の見事さに感心。
わたしなど騙されまくり(笑

あえていえば、トリックより構成で魅せるミステリと思います。

中盤までは状況を頭の中で整理するのに時間がかかり、読むのに手間取りましたが、
クライマックスにかかっていくつもの情報が収束していくさまは圧巻。
荒削りなところも若干見えますが、それ以上にエキサイティングこのうえない、
意欲作でした。

後日譚談がついているのも前作と同様。
主人公のロマンスが発展しないのも前作同様。
やっぱ女性のがドライかな? (笑
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