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2016.12.04 (Sun)

悪魔を憐れむ


「悪魔を憐れむ」
西澤保彦著
幻冬舎
2016年発行

西澤保彦氏の匠千暁シリーズ最新作、今回は短編集です。

このシリーズは困ったことに、長編は良いのですが、短編は時系列がバラバラで、
主人公たちの環境が過去になったり未来?になったりの変化に戸惑います。

本作はタックこと匠千暁が大学を卒業した後フリーターとして働いている時期のお話で、
本作の各短編は時系列で並んでいます。
四作収録されていますが、すべてタックの一人称で語られます。

最初の「無間呪縛」はシリーズのレギュラー警察官である、
平塚刑事の家に過去に起こった密室事件をタックが解き明かすお話で、
四作のうち、これが一番面白く、また感動的でありました。
なお、過去作で平塚刑事と結婚したことが判明しているウサコこと羽迫由起子の、
馴れ初めのエピソードです。

続く「悪魔を憐れむ」はタックが狂言回し的役割で、
探偵役としては精彩を欠いています。
逆にいえば犯人のキャラクターが強烈です。

「意匠の切断」はやはりレギュラー警察官の佐伯刑事が持ち込んできた事件を、
タックと彼の恋人、タカチこと高瀬千帆が解き明かします。
まあ主に彼女がだけど。

「死は天秤にかけられて」はホテルで目撃した妙な男の行動の謎を、
タックとボアン先輩こと辺見祐輔が推理します。

このシリーズはタックが主人公ではありますが、彼が絶対的な探偵役ではなく、
洞察力に優れたレギュラー四人が作品によって探偵役を務めるのが面白いです。

ひさびさのタックのシリーズですが堪能しました。

実は本作のひとつ前に出た長編がいまいちだったので、
今回は久しぶりに西澤氏独特のロジックのひねくり回しを楽しめました。

シリーズ次作はまだまだ先でしょうが楽しみに待ちます。
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