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2017.02.12 (Sun)

僕が恋したカフカな彼女


「僕が恋したカフカな彼女」
森晶麿著
富士見L文庫
2017年発行

カフカの書いた小説は、中学の頃だったかに「変身」を読んだきりです。
たしか読書感想文の課題図書だったからだと思います。
だからカフカの他の作品がどんなものか全く知らないけど、
不条理な作品の小説家で通ってるのだから、
他も「変身」のごとくわけわからない小説なのだろうな。。
と想像がつくわけで。

本書にはカフカの代表作いくつかのあらすじが紹介されています。
これを読めばキミもカフカ通だ!
もちろん文学通の方からすればカフカ掻痒の感もあるだろうけど。
しかし、やっぱりカフカって、わけわからない作品ばかりだなあ。。

なんてカフカなことはおいといて。
いや、おいとけないのだけど。
だって本書はまったくカフカなお話だからです。
いや不条理というわけではないけど、
ヒロインの名が架能風香(かのうふうか)というくらいには。。
カもなくフカもなくカフカです。

主人公の高校生深海楓(ふかみかえで)は中学時代さんざん女の子とつきあってきた
モテるやつなのだけど、誰にも恋をしたことがなく、
恋愛活動に飽きた彼は高校に入るとモテないように天然のフリをしています。
ところが同じクラスのいつもヘルメットを被っている不思議な少女風香に興味を持ち、
ゲーム的に彼女を落とすことだけを目的にラブレターを渡すのですが、
文章をケチョンケチョンに酷評されてしまいます。
彼女は自分をカノジョにするにはカフカになれと云い、楓は小説を書き始めますが、
そんな折り彼の身近にはいくつかの不思議な出来事が…。
楓と風香はその謎を解こうと行動します。

と、こんな話だと、風香がホームズ役、楓がワトソンだと思いがちですが、実は逆。
風香が口にするカフカ的なヒントをもとに、洞察力を発揮するのは楓の方。

描かれるのは日常の謎で、ミステリ的には大したものではありません。
しかし、このお話は風香の運命と、いつの間にか彼女に惹かれていく楓の心情と
行動について描かれた青春ラブストーリーであります。

風香はヘルメット被っているだけでも変なのに、
何かというと「キィイ!」(そんな言葉発するひと現実でみたことありません)とか
「図々しい!」が口癖で、彼にいきなりお姫様抱っこされても平然としている、
風変わりで、またある重大な秘密を持った女の子。

そんな彼女のミステリアスな魅力と、
なぜか美女にモテまくりなのに風香一筋な楓が見事な描写で描かれており、
夢中になって読了しました。

全体の構成にも一工夫あり、ライトな小説のようでいて、内容の深い、
なかなか読み応えある小説です。
さあ、楓くんはカフカになれるのか。

あとがきには著者の人気シリーズの登場人物、
黒猫と付き人が特別出演しているとありますが、黒猫シリーズ読んでないので、
わからないと思ったけど、わかりました。
多分あのふたりだろう。

「素敵な不条理は、奇跡と呼ばれる」
という一文が印象的でした。
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