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「スカートのなかのひみつ。」
宮入裕昂著
電撃文庫
2018年発行

第24回電撃小説大賞《最終選考作》です。
それがどのぐらいのレベルか知りませんが、大変な傑作でした。

物語は二人の人物の視点が交互に切り替わって進みます。
天野翔は女装男子。
いわゆる「男の娘」。
高校生の彼は風が自分のスカートをめくりあげたとき、
その秘密を同じクラスの八坂幸喜真に知られてしまいます。
八坂は異常に太っている男で、ママチャリのカゴに植木鉢を入れていて、
さらにレコードプレイヤーを横に括り付け、走りながらボレロを流す変人。
仲良くなった二人はもうひとり、後輩の男子メアリーにも女装をすすめ、
八坂は巨体のわりにはぶっちぎりの行動力とアイデアで、
プロデューサーとして他の二人を女装アイドルとして売り出そうとします。
それは八坂の愛する、事故で片足を失った女性との約束でもありました。

一方、広瀬怜という高校生。
風で上級生丸井宴花のスカートがめくれたところを見てしまい、
それが縁で宴花と彼女の忠実なお供、新井田牧乃と知り合います。
やがて彼女たちと友人になった広瀬はドロボウの計画を聞き、
自分も加担することになるのでした。
盗むのは時価八千万円のタイヤで、
それは宴花にとって重要な意味があるようなのです。
しかし、ドロボウは成功するものの、その行為は学校に知られることとなり―。

クライマックスで主人公二人の物語が収束したとき、
感動が襲ってくるとともに、興奮して過ぎた頁を何度も見返しました。



とにかくカラー口絵の八坂の風体がすごい。
喫茶店で読んでいて吹きました。
ラノベでもこんなやつ見たことないです(笑
風体だけではなくキャラクターも強烈な彼はこの小説のキーパーソン。
彼の熱い行動あってこそ、ラストのあり得ない出来事にも、
リアリティを少しだけ感じるというものです。

ミステリとして読んでも一級品。
伏線の数々がいちいち腑に落ちて構成の見事さに舌を巻きました。

青春の熱さと感動とめちゃくちゃさが光る傑作ですが、
やはり重要なキーワードは「スカートのなか」でしょう。
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06/11|Book(青春・恋愛・ラブコメ)コメント(2)トラックバック(0)TOP↑
この記事にコメント
こうして上手に説明していただけると読んでみようかなという気になりますね~。
なんかスケベそうなタイトルだから、本屋さんに行ってもまず手に取らないジャンルだし。
(偏見か?ゴメンなさい!)
全部読み終わってから、前のページを捲ってしまうというお気持ち、すごくよく分かります!!
余りに面白い作品に出逢うと、感動の余り、プレイバックしたくなって、パラパラしちゃいますよね!
私は気になったところのページによく付箋をつけておきます。
読み終わったあと、そこを開いてまたまったりと余韻に浸るためにです。
From: いちごみるく * 2018/07/18 17:44 * URL * [Edit] *  top↑
>いちごみるくさん
あはは、タイトルは意味深にできてますが、そんなエッチでもないです。
むしろネタバレ的?
ああ、付箋はいいですねえ。
よく気になった箇所を探すんですが、なかなか大変なんですよねー。
何度見返しても見つからなくって>_<
From: 暗ヲ * 2018/07/18 17:56 * URL * [Edit] *  top↑
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