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「そして僕らはいなくなる」
にかいどう青著
講談社タイガ
2018年発行

この作者さん、講談社タイガでは「七日目は夏への扉」(→コチラ)に続き、
二作目の登場です。
そして今回もファンタジックな現象と現実が絡み合う不思議な小説でした。

永岡宗也は優等生の着ぐるみをかぶっている高校生。
如才なく学友と付き合いながらも、ほんとはミサイルが降ってきて、
みんな死んじゃえばいいなんて考えています。
彼はある日、幼なじみの女の子が家に帰ってこないと知ると、
気になって探しに出かけ、事故に遭います。
それ以来、彼は奇妙な夢を見るようになるのです。
それは他人の視点で女性を解体し埋めるという内容でした。
彼のクラスには、みんなから避けられて「魔法少女」と呼ばれている
松浦志緒という女の子がいますが、彼女に興味のある宗也は、
嫌がられながらも、たびたび接触しようとします。
そんなある日、彼女と手が触れ合った瞬間、
彼の持っている奇妙な夢の記憶が彼女と共有されてしまうという現象が
起こるのでした。
不思議な出来事に興味を持ち、
宗也とともに夢の出来事が現実かどうかを調べようとする志緒。
そんな時、宗也は夢の内容に従って、公園で女性の死体を発見することに―。
それは行方不明の幼なじみでした。

不思議な現象が何なのかはっきりとは解明されないし、
事件の犯人の殺害理由は明らかになりません。
でも、本書はいわゆる謎解きミステリではなく、
優等生に見えながら内面はちょっとひねくれた少年と、
同じような存在でありながら、外的に隠そうとしていない少女の、
微妙なこころの触れ合いが興味深く描かれています。
特にラストの展開と主人公たちの行動はなかなかに生々しく、感動的でもあります。

障害者である志緒の姉や、宗也の家のお手伝いさんの描き方に新鮮味があり、
また飄々とした宗也の友人等、周囲のキャラがうまく描けており、
暗くなりがちなプロットを前向きなエンターテインメントに仕上げています。
まあ、しいていえば、宗也と志緒、
それぞれの家族が出来過ぎのような気もしますけども(笑

歪んだ世界と救いを描いていて、読み応えある一作でした。
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07/10|Book(ミステリ)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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