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「帝都探偵大戦」
芦辺拓著
東京創元社
2018年発行

そのむかし。
わたしが中学生か高校生の頃でしたか、
藤原宰太郎氏の書いた「世界の名探偵50人」という、
推理小説の入門書がありました。
その名の通り、世界中の名探偵が50人紹介されているのですが、
問題は海外ミステリの有名な作品の犯人が書かれている頁があり、
そのおかげで、その後大変困っちゃいました(笑

まあ、氏は自身の書いた推理小説のなかでも、
エラリー・クイーンなどの著名作のトリックをバラしちゃっていましたし、
あまり頓着しない方だったのでしょう。
ネタバレがいけないという概念も、特にない時代ではありました。

なぜそんなことを思い出したかというと、
本書「帝都探偵大戦」には日本の名探偵が50人登場するからです!
あんまり関係ないお話でしたね。
でも思い出しちゃったから(笑

さて、本書ですが、三章に分かれております。
すなわち「黎明篇」「戦前篇」「戦後篇」。

「黎明篇」では半七や銭形平次やむっつり右門、顎十郎、若さま等の、
捕物帳の人気者が、江戸の町を揺るがす怪事件の謎を解きます。

「戦前篇」では法水麟太郎や帆村荘六、獅子内俊次、藤枝真太郎、
大心池博士といった探偵達が開戦阻止のため働きます。
フルトヴェングラー伯林フィル来日の噂があったり、黒死館が再び出てきたり、
帆村荘六の事務所には妙な装置があったり、楽しさ抜群。

「戦後篇」では探偵達と共に活躍した警部たちも登場。
神津恭介他の探偵達と豪華に競演。
さらに小林少年や尾形恵美子といった少年少女探偵も一緒になって、
有名な悪党と戦います。

少年探偵が活躍するシーンでは本家のジュヴナイルに合わせ、ですます調に変えるなど、
文体上でもサービス精神いっぱいです。
めくるめく名探偵競演の楽しさはもちろんのこと、
世相による探偵たちの不遇のせつなさも描かれ、
名探偵への愛に溢れた一級のエンターテインメントに仕上がっています。
ミステリファンより名探偵ファンにお薦めしたいかも(もっとも、かなりかぶるかな)。

ところで「戦後篇」に出てくる古方善基博士のモデルは、
科学捜査の礎を築き科警研の所長を務めた古畑種基博士だろうか?

さて、名探偵やその関係者が50人も登場するものですから、
わたしも知らない名前がかなりあります。
でも大丈夫!
巻末には名探偵名鑑が付属し、本書に出てくる探偵達が解説されています。
現代は各社から珍しい探偵小説が発掘され出版されている、
大変ありがたい時代であります。
この巻末リストを参考に、未知のミステリをもっと読まなければいけないなあと、
思った次第。
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08/30|Book(ミステリ)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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