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「鳥居の密室 世界にただひとりのサンタクロース」
島田荘司著
新潮社
2018年発行

島田荘司氏の御手洗潔ものの新作です。

サンタクロース!
クリスマスプレゼント!
この本の大きなテーマであります。
本書に登場するある人物はそれに縁がなく、
だからこそ同じ境遇のある少女のためにプレゼントをあげたいと願います。
これを読んでいて思い出しました。
わたしもでした。
もっともクリスマスというのは日本ではお正月と近い時期ですから、
両方のお祝いというのは贅沢ですね。
いや、そう思い込んでいるわたしでした。
本当は一度だけ、なんだか忘れましたが、
クリスマスの朝枕元に置いてあったことあるんですよ。
でもそれは父親が会社関係のパーティーのくじ引き大会みたいな趣向で
もらったものだったと思います。
その一度だけ。
まあうち煙突ないしね。

本書は1975年の京都が舞台なので、石岡くんは登場しません。
かわりに予備校生のサトルくんが御手洗さんと一緒に行動します。
「進々堂世界一周 追憶のカシュガル」に出てきたあの少年です。

東京オリンピック(前のね)の頃、京都である密室殺人事件が起こります。
一階で女性が死んでおり、二階にはその女性の子供が寝ていました。
枕元にはクリスマスプレゼントが!
密室状態で誰がどうやって殺人を遂行したのか。
何者が少女にプレゼントを残したのか。
さらにある喫茶店の止まっている時計が動きだす謎。
当時事件現場付近で頻発して起こった不眠症や夫婦喧嘩、
位牌が動いて背中を向ける怪現象はなぜ起きたのか。

ひょんなことから過去の不可思議な事件を知った御手洗潔が真相を解きほぐします。
京都の地形、東京オリンピック当時の世相も絡め、
事件の裏にある悲しい物語は涙を誘います。

すっとんきょうな謎の数々が論理的に収束する真相は、
最近の御手洗シリーズではかなりよく出来ており、傑作と思いました。
この密室は素晴らしい。
実は五味康祐氏のエッセイに書かれた、
ある出来事を思い起こしましたが、ネタバレになるので控えます(笑
また男女間における生々しい描写は島荘ならでは。

相変わらず、ミステリとしての楽しさと、
人間ドラマの感動を絡み合わせるのが上手い作家さんであります。
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09/01|Book(ミステリ)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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