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「小説の神様 あなたを読む物語(下)」
相沢沙呼著
講談社タイガ
2018年発行

文章は書けるが、物語を作れなくなっている千谷一也と、
物語は作れるが文章の書けない小余綾詩凪は高校生作家同士でクラスメイト。
そんなふたりは編集者の勧めで合作することになり、作品が出版されました。
そして、続編を依頼されるのですが―。

続刊の意味を探し求め足掻く小余綾詩凪。
彼女の意志を尊重しつつ、スケジュールの都合上、
短編執筆の依頼を受けるか断るか悩む千谷一也。
やがてふたりの間には溝が出来ていきます。
一方、成瀬秋乃はクラスメイトとの関係に苦悩しながら、
かつて裏切ってしまった親友の真中葉子とのことを悔やんでいて―。
三者の答えは見つかるのか。
小説の神様はいるのか―。

誰に読ませることなく好きな気持ちだけで書いていた作品が、
読者を得ることで変わってしまう恐ろしさ。
それは人間関係も同様でしょう。
本書にも、「物語を読み解くことは、人を読み解くこと」という言葉が出てきます。
ゆえに交互に語られる千谷一也&小余綾詩凪のパートと、
成瀬秋乃のパートの探し求める答えは一緒。

若者たちの苦悩が出版界の現状と読者の本への意識を伴い描かれます。
だからこそ登場人物たちの、そして彼らに投影させた作者の叫びは、
読んでいる読者の胸にも、両刃の剣のように突き刺さるのです。
この続編において、成瀬秋乃のパートがやや比重が大きく描かれているように
思いますが、そんな彼女のラストの言葉は感動的です。
いいなあ物語は。

本好きでなければ、平坦な物語と捉えてしまうかもしれない。
しかし、逆に本を読むことが好きな人種にとっては、せつなくて、
なんともいえない感動が湧き上がってくることでしょう。
特にサブタイトルを回収する後半はステキな文章が続きます。

多分、この作者さんでないと書けない物語―のような気がします。
本書にとって、続編の意義は大いにあったと言って良いでしょう。

ラブコメも少しあります。
ふともも作家の今回のキーワードは鎖骨(笑
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09/19|Book(青春・恋愛・ラブコメ)コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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